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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
第27話『非情なる刺客!ヴォジャノーイ再戦!』
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の命。
そのためには、不要な戦闘を避ける。それが凱の考えだった。

「ふ〜ん……まあ確かに頼みの長剣は折れてしまってるみたいだし、戦いたくても戦えないものな」
(このヴォジャノーイ……まさかテナルディエ公爵配下の魔物か)

鞘から抜いてもいないアリファールの状態を既に知っている。
さらにいえば、代理契約戦争から数十年経ち、凱がエインズワーズ家を訪れたと同日に来るなど、偶然にしてもできすぎている。おそらくは、凱が刀匠の末裔に接触することを知り、エインズワーズ家の後継者の存在が、テナルディエ勢力の間に浮上したのだろう。

「敵と三度遭遇して戦いもしなかったら、ボクはテナルディエの旦那に殺されてしまうよ」

――――しかも金貨を集めた枚数だけね。

言葉とは裏腹に、ヴォジャノーイはどこか冗談めかした色が濃く浮かんでいる。
目の前の獲物。
そしてその奥の得物。
さらにその後の報酬。
欲望の方程式を前にして、見逃す理由などまずない。
それで、ヴォジャノーイにとって『再戦』する理由としては十分だった。

「じゃあ、ひと働きするとしますか!」

もはや、闘いは避けられなかった。

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