第27話『非情なる刺客!ヴォジャノーイ再戦!』
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たる初代ハウスマンの地がここなら――
(……エザンディス?)
主の危険を知らせるように、彼女の竜具であるエザンディスの結晶素子が淡い紫色の光を点滅させている。
長年この竜具と共につきあい続けてきた彼女には、この点滅が意味するのは明白だった。
(魔物が近くにいるのでしょうか?)
そうであれば、魔物の討伐はすぐにでも対処せねばならない事項だ。しかし、勇者の捜索も同一優先であることは間違いない。
一時的な思案。されど、やることは変わらないので導き出す答えは常に一つだった。
(ですが……)
ヴァレンティナは魔物の選択肢をすぐさま除外。竜具のある自分の身くらい、自分で守れる。
しかし、竜具を持たぬフィグネリアでは到底魔物に太刀打ちできない。それどころか、戦う力を持たぬティッタならなおさらだ。
(以前の『私』なら……割り切れたはずなのに……ですね)
そう――今傍らにいる彼女たちを見捨てて、己の目的だけで動けるはずなのに。
飛び込んできた視界情報を整理し終えたフィグネリアは周りを一瞥する。
「早速ガイと合流しよう。また虚空回廊を使ってもらえないか?」
指名されたヴァレンティナは首を横に振る。
「残念ですが、しばらく竜技は遠慮したいですね。あれは遠くへ旅立つほど、ひどく体力を消耗してしまうのです。それに……」
「それに?」
フィグネリアの疑問符にヴァレンティナは竜具の顔色をうかがいながら答える。
「――『霊体』という、不可視の素粒子が、どうやら竜技の使用を困難にさせているようです」
しかも、ここの建物だけではない。恐らく、独立交易自由都市全域に、このような処置が施されているのだろう。
以前、独立交易都市には『悪魔契約』を用いた破壊活動行為を頻繁に受けていた時期があった。竜具と同じく、悪魔契約で生み出された悪魔もまた人智を超えた力を持っている。その力を抑制、拡散、若しくは制圧することを目的に、独立交易自由都市内の定位置には、専用の『除霊式玉鋼』が設置されている。もちろん、この玉鋼が設置されている以上、自衛騎士団も人智を超えた奇跡『祈祷契約』が使えなくなる。そこでハウスマンは騎士団の『再編成』と、祈祷契約と魔剣の運用を『許可を得た者しか使うことのできない承認式』に移行したのである。
かつての防衛組織である『GGGガッツィ・ジオイド・ガード』も、『スーパーメカノイド』という、その強大な戦力を有するために、部下からの要請を総合的に判断し、承認する形をとって運用していた。地球の守護者の名を関する以上、市民の救出と市街地の防衛は、何よりの必須急務となる。恐らく、緑の星の指導者も、このことを想定していたのかもしれな
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