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人理を守れ、エミヤさん!
女難転じて福と成すのが士郎くん!
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ってクー・フーリンと契約して更に加速してきた感がある。全部ケルトって奴の責任だな。間違いない。だから第一特異点でジャンヌを完封したのは俺の責任ではないぞ。
 お前がオルタ化してるのが悪い。だから俺を恨むなよ聖女殿……。炎の聖剣に内心、そう語りかけた。

「――といっても生前はともかく、今のところ登録してある霊基はない訳だが。さて魔眼の話に戻るぞ? お主の霊格や適性を考慮すれば、ノウブルカラーにも至れぬ低位のそれが精々となるであろうな」
「知ってた。知っていたさ。才能ないもんな、俺……」
「悲観する事でもないと思うがな。下手に魔眼の適性が高く、考えなしに魔眼があれば逆に『視られる力』の餌食となろう」

 ああ、確かに。
 視られる力とは、魔眼に対する防御手段の一つだ。万物に存在する『視られる力』を利用して、こちらを視る魔眼に意図していない視覚情報を叩きつけるものである。
 魔眼の天敵と呼べるもので、叩きつける情報の応用によっては相手を催眠術にかける事も可能で、相手の魔眼の力が強いほど効果を発揮し、更に相手が自身の視る力に無自覚なら、驚くほど簡単に術中に堕とす事が可能となる。初見であれば、某団扇の一族が持つ写○眼などは簡単にやられかねない。
 俺の知己に例えるなら、両儀の姉御にやっても余り意味はない。あの人は完璧に魔眼を操れている上に、吐きそうなほどの死の線とやらを見せても機嫌が最悪になるだけだ。逆に殺されそうになったのもいい思い出で。遠野の野郎は逆に簡単にノックダウンさせられる。強すぎるその魔眼を使いこなしているとはとても言えないからだ。やってみてお姫様に殺されかけた。こっちは割と真剣に死ぬかと思ったのでいい思い出ではない。

「お主に相応しい低位の魔眼となると……」
「いや、別に考えなくてもいいぞ」
「そうか? しかしだな、例えば動体視力を極端に向上させる類いならばすんなり馴染むと思うが」
「詳しく」

 掌を返して即聞く姿勢になる俺にスカサハは苦笑した。
 こんなふうに笑える人なのかと、またもや意外に思う。ランサーもえらいのに目を付けられているな……なんとなく同情してやらなくもない。

「名前もない程度の魔眼だが、コントロールを極めれば、音速を超えて飛来する矢の弾幕も、視た後でも正面から掻い潜れるようになる。相応の技量がなければ宝の持ち腐れで、それだけの技量があるならそもそも無駄でしかないが。目で追われているなら追われているで、トップ・サーヴァントならどうとでも対処は出来るであろうしな」
「俺からすれば喉から手が出るほど欲しいぞ」

 何せいつぞやの変身クー・フーリンとの戦闘で、俺は全くその姿を視認できなかったのだ。また中てろと言われても確実とは言えないのだから、実際に視認出来るかもしれないなら大きな力となる。
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