女難転じて福と成すのが士郎くん!
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ぬ? それでは治した甲斐がないではないか」
「いやなに……コイツは春――沖田総司の生みの親の遺品でな。ソイツは俺の命を救い、その上で俺に大事なものを思い出させてくれた。だから……まあ。出来れば外す事はないようにしたい」
「……え、私のお父さんです? いやいやいや、ザ・平凡って感じの私のお父さんが英霊になんてなれる訳がないじゃないですか」
黙っていた沖田が流石に割り込んでくる。機嫌は最悪らしく、顔つきは険悪である。自分に傷とか霊基の事とかを黙ってるなんて、何考えてんですかばかマスター。そう言いたげな表情だ。
しかし言われていても何も出来なかったと弁えているから追及してこない。睨んでくるだけだ。しかしその貌は可愛らしさの方が強い。微笑んで頭を撫でる。
「――お前の霊基は剣士と暗殺者のダブルクラスだろう? アサシンの方はお前と俺を出会わせてくれた恩人だよ。名は風魔小太郎、風魔忍群の五代目棟梁だ」
「風魔って、あの風魔ですか!? 道理で気配遮断の練度が本来の私より高かった訳です……不思議だなー、とは思ってましたけど……っていうか、なんでそれも今まで黙ってたんですか!?」
「小太郎の事は俺だけが知っていればいい……なんてふうに思っていた訳ではないけどな。なんとなく黙っていた方が、小太郎と俺が共有する秘密的な感じでカッコ良かったからだ」
「意味分からないんですけど!?」
男のロマンが分からないか。良いけどな、俺の勝手な考えだ。
スカサハは可笑しそうに相好を崩す。どうやらその手の方面にも理解がありそうだった。流石はケルト。
「ではいっそのこと、その左目を魔眼にするか? 眼帯をするならば、そうした仕込みがあった方が《らしい》と思うぞ」
「ほぅ、いいじゃないか。出来るのか?」
自分の目を別のものに組み換える事になるとしても俺に忌避感はない。何せあの伝説の邪気眼になれるかもしれないのだ。何を躊躇う事がある。
正直に言うと魔眼など要らないのだが、その場のノリでスカサハに訊ねる。すると彼女は不敵に笑った。
「生前散々魔獣や神獣を狩っていた故な、その手の魔眼の備蓄は有り余っておる。なんならサーヴァントもルーンで霊基を登録すれば、任意で召喚も可能だ」
「――何? いや……なんでも出来るといっても限度があるだろう。なんだその……反則じゃないか?」
というか生前の財産を取り出せるとかどこの英雄王だ。
俺の問いにスカサハは呆れたようである。
「何を言う。反則とはする為にあるのだろう」
確かにと頷かされる。流石ケルト。さすける。
俺がケルト的戦闘論理を持つのは、最初に契約したサーヴァントがアーサー王伝説のケルト的騎士道を持つアルトリアだったからで、その影響だった可能性が浮上してきたな。カルデアに入
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