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人理を守れ、エミヤさん!
ガチャを回せ、決めに行くぞ士郎くん!
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「戦って、守って、此処まで来て。かと思えばまた二人旅なんですもん。流石の沖田さんも、呆れてものも言えませんよ」
「いいじゃないか、二人旅。俺とお前だけなら、どんな地獄だろうがどうとでもなる」

 風を切って走るアンドロマケ。その風は冷たい。
 沖田は何故かこっちを見ない。耳を赤くしている。そんな彼女のぼやきに普通に返すと、沖田は口を噤んで無口になった。
 ……? どうしたんだ?
 名前で呼ばせるようになって以来、どうしてかこんな態度に変わった。悪意とか隔意が生まれたわけではなさそうで、どう接したらいいか悩んでいるようにも見えるが……。それに何かを持て余しているのか、もどかしそうにしている姿を目撃した事もある。
 そういえば『フィランソロピー』の連中、妙に沖田の事を微笑ましそうに見るようになっていたな。それに何か関係があるのだろうか。

「なあ、春」
「……なんですか?」
「あんまり悩むなよ。相談ならいつでも乗ってやるから。俺はお前のマスターで、お前は俺のサーヴァント……一心同体、一緒に戦い抜く仲間なんだ」
「……いいですよ、もう。シータさんに、相談には乗ってもらいましたから」
「そうなのか?」

 女の子同士、いつの間にか話す関係になっていたらしい。その光景はさぞ麗しいものだろう。
 生憎と俺は忙しくて、誰ともコミュニケーションが取れてなかったが……一度帰ったら、シータやアルジュナともしっかり話そう。思えば俺は少し焦りすぎていたかもしれない。新しい仲間を、戦力を求めるあまりに、今いてくれる仲間を疎かにしてはいけなかった。
 反省だな、と胸中に溢す。そして何気なく沖田に訊ねた。

「で、シータとどんな話をしたんだ?」
「……分かんないんですか」
「女同士の話なんかが俺に分かるわけないだろ」
「……ばかなんですね」
「酷いな」

 沖田の背中から体温が伝わる。段々熱くなってきていた。まさかまた発作か? そう思うも、特に顔色は悪くない。なんなのだろうか。
 俺の知ってる女同士をイメージの中で並べる。
 アルトリア、オルタ、マシュ、ネロ、アタランテ、アイリスフィール、玉藻の前、桜、チビ桜、イリヤ、イリヤ二号、美遊、遠坂、ルヴィア、バゼット、シエル、キアラ……その他。彼女達がどんな会話をするのか想像してみるも、大乱闘スマッシュなんとかが始まる様しかイメージ出来なかった。なんでさ。
 遠坂とルヴィアから火種が熾り、それが感染爆発するように乱闘が始まり拳で競う女の宴。うーんこの、ここにキアラをぶち込むとか想像の中でも地獄絵図になりそうだ。特にキアラと桜を会わせてはならない気がする。

「ばか」

 沖田は呟き、下を向いていた。

「……」

 なんとも言えない空気のまま、暫く進んだ。
 と
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