第1話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
麻生は学校の窓から外の景色をぼ〜っ、と見つめている。
あの始業式には何とかギリギリに間に合ったが、先生達の間では結局目をつけられることになってしまった。
麻生はやっぱり二度寝をしていればよかったと後悔しながら、始業式で校長の長い話を聞かされながら思う。
クラス分けは上条と同じクラスになった。
上条と麻生はあの始業式の後、名前を教えあい(麻生は教える気はなかったのだが上条が何度もしつこく聞くので仕方なく教えた)家も近いので行き帰りはよく一緒に行動している。
これも上条が勝手についてきているので、一緒に行動しているかと言われれば違うかもしれない。
部屋も隣だからか麻生が学校をさぼろうとしても、上条が部屋まで押しかけて強引に連れて行くのでさぼることも出来なくなっていた。
(ちっ・・・・面倒な奴に捕まったな。)
麻生は窓の外の景色を見ながら思う。
そんな時、授業中にぼ〜っとしている麻生を見た教師、月詠小萌は麻生に注意する。
一年七組の担任であり身長一三五センチとどう見ても一二歳くらいにしか見えないこの高校の七不思議の一つにも数えられる教師だ。
「こらっ〜!!麻生ちゃん!!!先生の授業中に何ぼ〜っとしているんですか!!!」
その注意を聞いた麻生は視線を小萌先生に向けず口だけ動かす。
「気にしないでください、先生。
俺なんかの為に授業を止めたら皆に迷惑ですよ。」
「先生は麻生ちゃんがちゃんと授業を聞くまでは何度でも注意するのです!!」
「じゃあ俺はこのクラスに存在していないと思って授業してください。」
「大事な生徒をそんな風に思えないです!!」
麻生はこれ以上話しても平行線を辿ると思ったのか、視線を小萌先生の方に向ける。
それを確認した小萌先生はにっこりと笑うと授業を再開する。
そして授業が全て終わり放課後。
「麻生、一緒に帰ろうぜ。」
「勝手にしろ。」
適当に答えて鞄を持つ、麻生。
そんなやり取りを見ていた青髪ピアスは言う。
「カミやんと麻生はほんま仲ええな。」
「そうか?
部屋も隣だから普通じゃね?」
「僕だったら部屋が隣でも一緒に帰らんわ。
あっ、女の子やったら話は別やで。」
「お前は女の子だったら誰でもいいんだろう。」
「そんなことないよ。
僕にだってちゃんと好みあるよ。」
二人が話をしていると麻生は会話に入らず教室から出ようとする。
上条は視界の端で麻生が教室から出ようとするのが見え、麻生を引き止める。
「待てよ、麻生!!
俺も一緒に帰るって!!」
急いで鞄を持ち麻生を追いかける、上条。
それを見た青髪ピアスは思う。
「もしかして麻生とカミやんがこんなに仲ええんは二人の間に肉体関係が・・・・
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ