暁 〜小説投稿サイト〜
マイ「艦これ」「みほ3ん」
EX回:第75話<もう一つの最前線>
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
その後姿を見ながらブルネイは続けた。
「お前と吹雪を見て思ったが……」
「……」

私は無言でブルネイの顔を見た。彼は遠くを見るような目をして続けた。
「艦娘たちに構えて接するよりは、ごく自然に、やりたいようにさせるべきだったな」
「……」

その問い掛けには何とも返し難かった。それでも少し考えてから私は答えた。
「いや、でも私自身、果たしてそれで良かったのか? と思うな。結論は出せないよ」

ブルネイは穏やかに、しかし力強い口調で言った。
「だが、この悲しみもいずれ消えていくだろう。新レシピは順調だ。ここから新しい歴史が始まるんだよ」
「そうだな」

彼の自分に言い聞かせるような言葉には私も救われる心地だった。
(私たちの『未来旅行』は一つの戦場に『終止符』を打つ、きっかけになるのだ)

そこでブルネイの表情が少し変わった。
「ただ」
「あ?」
「美保の艦娘たちには、だいぶ衝撃だったらしいな」
「あぁ」

彼にも分かっていたか。
「ちょっと心配だな」
「……」

私は頬に手を当てて間を置いた。
(確かに、この展開には衝撃を覚えるかも知れない)

そのとき日向と並んで近くから見ていた伊勢がボソッと呟いた。
「あたしも、あんな風に、なっちゃうのかなあ?」

すると直ぐに腕を組んだ日向は応えた。
「分からない。だが、そうはさせない」

彼女の表情は硬かった。しかし決意は伝わってきた。

(気持ちは分かるぞ日向。その姿勢は、お前らしい)

……とはいえ実際、どうなのか? 

 正直、試作型の艦娘の寿命は分からない。まして彼女たちは不安定だ。

この伊勢や比叡2号たちが抱えるものは目に見えない時限装置のようなもの。その結果は私たちはおろか専門の技師にすら分からない。

「でも負けてはいけない」
私も呟いた。

(そうだ。最後の戦場は、まさに私たちの心の中にあるんだ)





[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ