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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第35話 新年魔法大会 【衝突】
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がっていたのに、大切なモノを壊してやったら、一瞬にして弱くなった。違うかい?」
「……ぁあ……そう、か。わたし、は……」
「でも、君は私の人形だからね。チャンスをあげよう。弱い君でも、他人を守るチャンスをね」
「チャン、ス……?」
「そう、チャンス。私と一緒に、もう一度マフィアに戻ってくるって言うのなら、今後一切此の第一魔法刑務所には手出ししないと誓おう。此の大会に関係している、マフィアの人間が殺した人間も蘇らせてあげよう。如何だい? 刑務所側に多く利益があ……」
「分かった……分かりました。わたしを、連れて行って……これ以上、だれも殺さないで……」
最後に、湊は薄く笑みを浮かべて、姿を消した。
地面に崩れ落ちた琴葉を、響が抱き上げ、そして姿を消す
仁と真冬は、小さく魔法を唱えてから姿を消した。
後には、壊れた会場と、何があったのか分からず、呆然とする大勢の観客と看守、囚人が取り残された。
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