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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第35話 新年魔法大会 【衝突】
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る攻撃も、空間を超える事が出来ない限り、切り離された空間に居ると言ってもいい琴葉には届かない。
「……あれ、バレちゃった? 折角突っ込んできたところを細切れにしてやろうと思ったのにねぇ」
「流石、私の“人形”だ???ぁ」
湊が苦々しい笑みを浮かべつつ、そう言葉を溢した瞬間。へらへらとした笑みから一転、琴葉は感情を失った様な無を顔に浮かべて、刀を横に振る。衝撃波が空間を超え、湊の眼前に迫った。
空間をも超える刃。???それが防げる筈がなかった。
「???日本の魔法犯罪を取り仕切るマフィアの首領を、そう簡単に殺せる訳ないだろう?」
だが、湊は片手直剣を振り払った状態で、一つも傷を負わずに立っていた。彼は、あの刃を剣で後方へ受け流したのだ。その為、後ろにあった筈の司会席や、舞台が跡形も無く消え去っていた。
「私を“人形”って呼ばないで。私は貴方の人形じゃない! 私は人間だから」
「自分でも分かっているだろう? 君は人間では無い。“私と契約している”、“魔法で作られた人形”だ」
「違う……違う、違うッ?? 御前なんかの人形になってたまるか??」
「小さい頃は素直だったのにねぇ。洗脳でもされたのかい?」
「違う! あれは私が間違ってた……マフィアに入るなんて、あの頃の私は本当にどうかしていた」
「今の君の方がどうかしているよ。覚えているかい? 君が“組織を裏切った”日の事。君が“組織を逃げ出した”日の事。君一人には、何かを守る力すら無いのに、それを理解していないからこうなるんだ」
「は……どういう」
湊の前に真冬が現れる。瞬きよりも短い間に現れた彼の足元には???真っ赤な血を全身に浴びた六人の小さな子供と、一人の老人、彼に抵抗する様に暴れるレンがあった。
「え…………うそ、でしょ……?」
「首領。命令通り、被験体七人とその管理者を連れて来ました。被験体一人を残し、後は全員殺してあります。既に蘇生も再生も効かない状態かと」
「お疲れ様、真冬君。早かったね」
「いえ、“琴葉ちゃん”が攻撃している間は長かったですから」
「そうかい。下がっていいよ」
「失礼します」
琴葉は湊と真冬のやり取りを聴きながら、絶望していた。
大切なモノを守れなかった。そんな自分の無力さが、憎い。
「あ、ぁ……ああ……」
「如何だい? 此のプレゼントは。分かったかい? 前もそうだった。“君の所為で、君の友達は死んだ”。そして、また君の所為で、魔法を見に来ただけで、君には無関係な人達を含めた大勢が死んだ。全て、全て、幼い君の、愚かな行動が悪い」
「わたし、が……わる、い……の? レンたちが死んだの、は……ぜんぶ、わたしの……」
「嗚呼そうだ。……君は弱い。実際、さっきまであれ程強
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