第一章
[2]次話
諦めない姉
この時吉田卯月は燃えていた、それで妹の皐月にこう言われていた。
「お姉ちゃん何かおかしいよ」
「おかしいって何が?」
「だって万華鏡だよ」
妹は姉に怪訝な顔で述べた。
「そんなにムキになって」
「何言ってるの、万華鏡だからよ」
卯月は自分にそう言うさつきに怒った顔で返した。
「振ってみてよかった模様を観たいじゃない」
「それでなの」
「そう、それが出るまでね」
それこそとだ、卯月の口調は強いままだった。
「絶対にやるわよ」
「またお姉ちゃんの悪い癖が出たのね」
皐月は万華鏡を必死に振る姉を見つつやれやれといった顔になって述べた。
「本当にいつもこうなんだから」
「いつもって何よ」
「だから何かしたら勝つまでして」
卯月は気が強い、それでいつもそうするのだ。
「出すものなら出すまでして」
「悪い?」
「その執念どうにかならないの?」
「何でもやったら勝つか」
卯月は卯月で悪びれず言い返す、そうしつつ万華鏡を左目を閉じて右目で観てみたが自分が観たい模様ではなかったのでまた振りはじめた。
「今みたいに出たいか観たいものがね」
「出るまでっていうのね」
「それまでね」
「何度でもするのね」
「お勉強もスポーツも喧嘩も」
こうした性格だから学校の成績等はいい、だが喧嘩っ早くしかも勝つまでとにかく諦めないのでこのことは同級生達からもどうかと思われている。
「そうよ」
「それで今もなの、万華鏡の模様なんて」
それこそとだ、皐月は言うのだった。
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