第三章
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「結構以上にないでしょ」
「言われてみれば」
「しかもね」
亜理紗はさらに言った。
「晋君一軒家でしょ」
「いい家だよ」
「お父さん公務員でね」
「生活安定してるな」
「そうよね」
「ああ、本当にな」
「ここまで揃ってたら」
それこそというのだ。
「普通じゃないでしょ」
「かなり幸せだよな、俺って」
「そうでしょ、晋君自身は平凡でも平凡自体がね」
それ自体がというのだ。
「成績もスポーツも普通って」
「背とか顔もか」
おまけに太ってない、晋太郎は均整が取れたスタイルだ。
「全部普通だとかえって」
「そうよ」
「それもまたね」
「普通か」
「小柄でも太ってもいなくて」
そうしたことをコンプレックスに思っている人間がいるがというのだ。
「それでお顔とかも」
「気にしてる人いるな」
「特に女の子はね。あーしだってメイクするのもね」
「いや、亜理紗ちゃん地顔もいいだろ」
「わかるの?」
「わかるよ、妹とかお袋もメイクするしな」
それでというのだ。
「地顔って俺わかるんだよ」
「家族のメイクとすっぴんを見分けていて」
「そうだよ、というか前俺にスマホでその時の画像見せてくれただろ」
亜理紗自身がというのだ。
「地顔な、ブスだよねとか言って」
「実際ブスだったでしょ」
「いや、それがな」
実はというのだ。
「亜理紗ちゃん可愛いから」
「そうなの」
「地顔も色白で顔立ち整ってな」
晋太郎が見ている限りそうだった、メイクは派手だがそれでも確かに顔立ち自体はそこからでも悪いものではないとわかる。
「目やお鼻やお口の形も」
「そうなの」
「だから別に亜理紗ちゃんもメイクはさ」
それはというのだ。
「気にしなくていいよ」
「そうなの」
「うん、それと俺ちゃんと家族もいて」
「ご両親ね」
「家族仲悪くないし皆普通だな」
「そんな家族実はね」
亜理紗は右手の人差し指を立てて晋太郎に話した。
「あまりないのよ」
「普通の家庭っていうのも」
「お父さんが酒乱とか働かないとか暴力振るうとか」
「屑だろそれ」
どの要素もとだ、晋太郎は引きながら答えた。
「幾ら何でも」
「けれどいるから」
「そんな糞親父がか」
「お母さんがそうだったりする場合もあるし」
父親だけでなくだ。
「両方とかね」
「児童虐待ってそんな連中がするんだな」
「あと親戚に碌でもないのいたり」
「そういえば親父の方の親戚もお袋の方も親戚も」
晋太郎は自分の親戚のことも思い出した、すると実際にだった。
「普通の人ばかりだな」
「酒乱の人とかいないわよね」
「借金持ちとかもな」
「それもね」
「凄いことか」
「そう、本当に何でも普通ってね」
自分自身
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