第四章
[8]前話
「今度テーマパークにね」
「連れて行ってあげるんだ」
「そうするわ」
「そこのお金もだよね」
「私が出すから」
それでというのだ。
「そうするから」
「だからなんだ」
「ええ、これでね」
まさにというのだ。
「やっていくから」
「それじゃあだね」
「ええ、パパと玲に」
二人にとだ、麻美子は優しい声で話した。
「お礼をするわ」
「玲はいいけれど僕は別に」
「何言ってるの、パパがあの病院紹介してくれたから完治したのよ」
麻美子は謙遜する夫ににこりと笑って告げた。
「だからね」
「僕達になんだ」
「お礼をするわ、じゃあ今度の日曜日は」
「玲と三人で」
「遊園地に行きましょう」
にこりと笑っての言葉だった、そうして麻美子は風呂に入って夫にも風呂に入ってもらって二人でその遊園地の話をして玲がもう眠っているベッドに二人で入った。そうして大きなベッドの中で親娘三人川の字になって寝た。
そして遊園地に行ったがその帰りにだった。
麻美子は家に着くとすぐにこう言った。
「疲れたわ、けれどね」
「いい疲れだよね」
「ええ、玲も喜んでくれたし」
「パパ、ママ、凄く楽しかったね」
すっかり疲れきった二人と違い玲は元気だった。
「だからね」
「ええ、またね」
「行こうね」
「そうしようね」
こう言うのだった。
「また今度」
「うん、今度ね」
「また行きましょうね」
「絶対にね」
一家でにこりと笑って約束した、麻美子は今は確かに疲れていた。だが心は誰よりも満ち足りていた。その満ち足りた心で家族に晩御飯も作ってそちらも楽しんだ。
幸せ家族 完
2018・10・12
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