第三章
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麻美子は自分だけでなく一家を悩ませているリウマチが治るならと思ってそれでだった。
すぐに神戸まで行って診察を受けた、そこで症状を見た結果的確な治療方法と薬を言われた。そうしてだった。
その薬を貰って服用し治療も受けた、また家でも療養の仕方を言われてすると。
徐々にだが治っていった、そして時間がかかったが。
遂に完治した、それで麻美子は言った。
「大変だったわ」
「そうだよね」
「ええ、もうね」
それこそという口調で夫に話した。
「苦労したわ」
「それでもだったね」
「完治したわ」
「おめでとう、ママ」
太は妻ににこりと笑って答えた。
「本当にね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「リウマチが完治したのは」
それはというと。
「私だけじゃ絶対にね」
「出来なかったっていうんだ」
「ええ」
その通りだとだ、麻美子は夫に述べた。
「出来る筈がなかったわ」
「そうかな」
「パパがいてくれて」
麻美子に優しい顔で言った。
「そして玲もいてくれたから」
「あの娘もなんだ」
「だからね」
それでというのだ。
「今回は一家で私を助けてくれたから」
「治ったっていうんだね」
「そうよ、私だけじゃ」
とてもと言うのだった。
「出来なかったわ」
「それでそう言うんだ」
「そうよ、だからまずはパパへのお礼に」
麻美子はにこりと笑ってだ、太にあるものを差し出した。それは赤いリボンで飾られた白い奇麗な箱だった。
その箱を差し出してだ、夫に言った。
「腕時計よ」
「えっ、僕になんだ」
「そう、これをあげるわ」
「リウマチのことではなんだ」
「そうよ、在宅ワークでいざっていう時に貯めていたけれど」
自分のお小遣いにしていたのだ、麻美子は自分のお小遣いはそういったことから稼いでしかも家計の足しにしているのだ。
「それからね」
「ママの為に使わないで」
「パパの為によ。あと玲には」
二人にとって大事な、そしてリウマチの時いつも気遣ってくれて自分の出来ることをしてくれた娘にはだ。
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