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孤立主義の真意
第二章

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 当のアメリカは違っていた、アメリカ合衆国大統領であるジェームス=モンローは部下にホワイトハウスの中で話した。
「欧州各国の反応がいいね」
「はい、確かに」
「どの国も我が国の意図が読めていません」
「何故あの様なことを言ったのか」
「わかっている者はいない様です」
「欧州において」
「スペインは自分達の植民地のことを言われて不快だな」
 モンローは面長で髭のない知的な顔立ちを微笑まさせて言った。
「そうだな」
「あの国はそうですね」
「しかしあの国もああ言えばです」
「植民地に介入しません」
「それはしないです」
「国力も落ちていますし」
「そうだ、だが念の為にだ」
 スペインに対してもというのだ。
「言っておいたのだ」
「植民地の独立を妨げてはならない」
「アメリカ大陸には介入するな」
「そのことをですね」
「そういうことだ。そしてだ」 
 モンローはさらに言った。
「合衆国はこれより西に向かう」
「西へ西へ」
「太平洋岸まで向かいますね」
「そうされますね」
「そうだ、その途中妨害する勢力があれば」
 その時はというと。
「万難を排してだ」
「そして、ですね」
「太平洋岸まで辿り着き」
「そこま領地とした場所を治め」
「国力を養いますね」
「そうする、とかくだ」
「一気にですね」
「勢力を拡大していきますね」
「我々は」
「アメリカ合衆国からアメリカ大陸全土を我等のものとする」
 モンローはさらに話した。
「そしてな」
「さらにですね」
「そこから先がありますね」
「そうだ、西海岸からだ」
 モンローの言葉が強くなった。
「さらにだ」
「進みますね」
「西に」
「そうしますね」
「ここだ」
 モンローは太平洋のまさに中央にある島々を指差した、官邸の壁にある巨大なメルカトル図法の地図の中のそれを。
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