暁 〜小説投稿サイト〜
人理を守れ、エミヤさん!
なんで休まないジャックさん!
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
気味の沖田は見ず、遥か彼方に撒き上がっている砂塵を見た。
 周囲は丁度、河と森に挟まれた地点。砦から半日離れた距離だ。砂塵の規模は大きい。小太郎仕込みの数の判別法だと……ザッと《一万》は下るまい。敵襲だった。沖田が顔を引き攣らせる。

「それ、絶対に災厄の女神ですよ。お祓い行ってください」
「はははは」

 乾いた笑いだった。我ながら。

 サーヴァントを探していた。そうしたら、確かに見つけられた。ただし、敵性体(エネミー)だったが。
 向上した視力は捉えていた。それは――

「ペンテシレイア……呆れた執念だぞ……」

 軍を率いる戦闘女王。それが、明らかに俺を探している。索敵しながら、『人類愛』の痕跡を辿りながら……。このままでは、彼女は砦にまで辿りついてしまうだろう。そうなれば虐殺の憂き目に遭う。
 まったく……。運がいいのか、悪いのか。俺は沖田に言った。

「春。一旦砦に戻り、カーターに防備を固めさせてから戻って来い」
「! ……マスターは、どうなさるんですか?」
「俺か? 決まってるさ」

 吐いた唾は飲めない。精々、強がるまでだ。

「地形は俺の味方をしている。俺を囮にして時間を稼ぎ、バカな部下どもが休めるよう、せめて一日は付き合ってもらう」

 アマゾネスの女王との楽しいデートだ。エスコートは任せてもらわないとな。俺はそう言って、不敵に笑う。

 ――ああ、本当に。つくづく、楽はさせてもらえないらしい。












[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ