なんで休まないジャックさん!
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れますよ!?」
俺は沖田を連れ、二人だけで遠出していた。目的は何処かにいるかもしれないカウンター・サーヴァントだ。それを探し出し、戦力に組み込みたいのである。これは欠かせない行動だ。何せまたフィン・マックール並みの敵と行軍中に戦闘に入ってしまえば、次こそ百パーセント確実に全滅する。
何せ砦という一先ずの目的地に入った事で、『人類愛』の軍民は、張り詰めていたものが切れてしまったのだ。故に行軍を一旦中断し、一日ではなく二日間休むと告げたのである。
それに彼らは元々体力の限界でもあった。休息は不可欠、ならば今は戦力の発掘に努めねばならないのは自明の理。
彼らを二日間、あの砦で休ませる。さもなければ生き残れない。故にあの砦を攻められたなら、死守する他になく。ケルト戦士だけが相手ならまだなんとかなるが、サーヴァントに攻め込まれたら非常にマズイ。
だからこそ今は博打を打たねば。あの砦には見張りを立たせ、敵の接近を発見したなら狼煙を上げる手筈になっている。その時は令呪で沖田を砦に戻し、俺も砦に急行すると伝えていた。
俺の能力は雑魚狩りに特化している。殲滅力という一点では英霊にも引けを取らない。何せそれを買われてしまってアラヤ識に守護者として目をつけられているのだから。
雑魚散らしの■■とは俺の事である。だからと繋げるのはおかしな話だが――たった二人での行動に不安はない。
何せ沖田がいる。俺が雑兵を潰し、沖田が強敵を狩る。守るべき人達から離れたら、生き抜くだけなら割と簡単だ。
沖田の叱りつけてくるような諫言に、俺は肩を竦める。生憎とそう簡単に倒れるほど柔な鍛え方はしていない、気が充実しているならいつまでだって歩き続けられる。そう言うと、沖田は言葉に詰まった。
「なんで……」
何が「なんで」なのか。言葉の継ぎ穂を見つけられなかったのか、沖田は俯いた。
彼女が黙ったので、俺は気にせず歩く。サーヴァントの痕跡を探し求めて。黙々と。淡々と。今は右目がよく見える。夜の闇だって阻めない。下手をすると、暗視ゴーグルをつけた時並みに見えているかもしれなかった。もしかすると、これがサーヴァントの視界なのかもしれない。だとしたら凄まじいものだと思う。
惜しむらくは視力の向上は、霊基からの侵食が進んでいる証だという事だ。やはりあの禁呪は多用するべきではない。
「なんで、ですか……」
何時間か宛もなく歩いていると、不意に沖田が口を開いた。
「なんでマスターは、縁も所縁もない人の為に、命を懸けてるんですか……? マスターの使命は、人理の修復なんでしょう? こんな所でリスクを侵すなんて間違ってます。なのになんでですか。そんな、自分の身を削ってまで……」
「はぁ……。……
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