追憶のアンサング
[9/22]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を嘆きます。これもあくまで一時的なものに過ぎませんから……』
「じゃあどうすればちゃんと封印できるの?」
『ヴァナルガンドの力を削り続ける何かがあれば、今度こそ永久に封印できるのですが……』
「削り続ける何か……とにかく封印の要になる物が必要なんだね。わかった、僕達が探して―――ッ!」
その時、ジャンゴは見た。落下中に石化しつつあるヴァナルガンドの全身から、全て道連れにしてやると言わんばかりの、禍々しい色のクロロホルルンが無限に放たれるのを。
「(マズい、あの濃度ではエナジー使いでも即ちに吸血変異してしまう!)サクラ!!」
「え―――」
いきなりジャンゴからぎゅっと抱き締められたことに内心ドキドキするサクラだが、次の瞬間、ヴァナルガンドから放たれたクロロホルルンが襲来、地獄のような痛みがジャンゴを襲う。
「ア、ガァァアアア!!!!!!!!!」
「お兄ちゃんッ!?」
顔を上げたサクラは、ジャンゴが下から迫る大量のクロロホルルンから自分をかばうことで、LIFEがぐんぐん減っていく様を目の当たりにする。
『いけない! このクロロホルルンは強すぎる! トランス・ソルの太陽では浄化が追い付かない! ジャンゴ、今のあなたでも長時間は耐えられないわ!』
「だ、だけど僕が……守らないと、サクラが……う、ぐあぁああああ!!!」
だがこのクロロホルルンの波はかつて黒きダーインが使役していたものより強力かつ大群のため、いつ途切れるのか……そもそも終わる予兆すら見えなかった。
「(こ、このままじゃお兄ちゃんが死んじゃう! 私が何とかしなきゃ!)」
急ぎサクラは練り上げた魔力を用い、ビッグシェルを展開する。スカルズの一斉攻撃すら耐えたサクラ自慢の防御魔法は……、
ムシャムシャムシャムシャムシャムシャ!
「か、片っ端から喰われてる!?」
ボリボリボリボリッ!
「そんな……まるでせんべいみたいに容易く……!」
ありったけのエナジーも込めたのに、防御魔法が消し去られた。むしろあの様子を見る限り、食べ応えが増していたようにすら感じられた。
虚数空間に封印されていた絶対存在、世紀末世界から来た破壊の獣……その中から放たれたクロロホルルンはただのクロロホルルンとは違い、エナジー込みの魔法でも簡単に抵抗できるものではなかった。オリジナルの記憶からファーヴニルの実力も知っているサクラだが、脅威度で言うならヴァナルガンドの方が断然上であった。
「(ど、どうすれば……! どうすればお兄ちゃんを守れるの!? どうすれば……はっ! 今のお兄ちゃんはトランス・ソル状態……でも私は知っている。お兄ちゃんには太陽と対となる力、ヴァンパイアの血を覚醒させるトランス・ダークがある。その状
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ