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リリなのinボクらの太陽サーガ
追憶のアンサング
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ッ……! いや……ないな」

『とにかくだ、“デウス”の浸食が及ぶ前に接続を切り離した娘達は辛うじて無事だったが、汚染された娘達は君達も見たように敵の操り人形にされてしまった。今度ばかりは私も本気でやろう。相手が何者だろうと、私の娘達をたぶらかした奴にはすぐに報いを受けてもらうつもりだ』

そこに込められた感情には、自分の大事な作品……否、家族である娘達(ナンバーズ)に対する愛情と、彼女達を狂わした何者かに対する憤りが込められていた。

『依頼を出そう、アウターヘブン社の支社長、王のマテリアル。目的は浸食、洗脳を受けてしまったナンバーズの救出。報酬はこの私の全て、でどうだ?』

「ふむ……確かに貴様の頭脳は魅力的だが、割に合わん。今回の襲撃は次元世界に大きな火種を撒くことになる、なにせ我らだけでなくジャンゴとサクラも巻き込んだのだ。フェンサリル政府だけでなく管理局も犯人探しに躍起になるに違いない。アウターヘブン社に貴様を受け入れるということは同時に、貴様を厄ネタ共々匿うことでもあるのだ。我らが管理局と同じ所業をしてしまえば、今まで培ってきた世間の支持を大幅に失う羽目になる」

『もちろん、私もそれは把握している。メリットに対してリスクが大きすぎることもわかっているとも……ああ、重々わかっているともさ! だがな……父親がどこの何者とも知れない輩に娘を奪われて怒るのは当然のことだろう!』

「ッ……!」

別の世界じゃブーメランになりそうだが、ここでは一応まともな思考をしているスカリエッティの口から放たれたその言葉に押し黙るディアーチェ。そのやり取りを見ていたサクラはジャンゴの方に少し視線を向け、彼の兄サバタのかつての境遇を思い出した。

「はぁ……仕方あるまい。あまり気は進まぬが、“表”の世情は我が何とかしてやる」

『感謝する。この無限の欲望、全霊を以って君達の力になろう。あ、それとだね。もう一つ、火急で対処してもらわなくてはならない問題がある。つい先程、次元世界全体に巨大な虚数反応を探知した』

「なに、虚数反応だと?」

ディアーチェとスカリエッティの会話に知らない単語が出てきて困惑するサクラ達に、ユーリが説明する。

「虚数反応とは要するに、現実世界では実体を持たないエネルギー反応のことです。現実世界におけるエネルギーはニュートンやワットなど……そういう風に物理学や数学で実数値として表せますが、虚数値だけの力は何の効果も及ぼしません。しかし虚数が重なれば実数に変化し―――」

「ごめん、私にもわかる言葉でお願い……」

「え〜……お願いするなら、ちゃんとした態度を見せてくれないとですね〜……」

「ゆ……ユーリお姉ちゃん! 私に……お姉ちゃんの知ってること、教えてくれる?」

「は〜い!
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