追憶のアンサング
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る、空で編隊を組むぞ。レヴィとユーリは護衛を頼む」
「了解!」
サクラと共に瀕死状態のジャンゴを両脇で抱えたディアーチェはレヴィと共に爆破で空いた穴から飛行魔法でホテルを脱出、編隊飛行で追撃を上手くやり過ごしながらその場を後にした。
「後でホテルの人達に謝らないといけませんね」
「ふむ、しかし今のあやつらからはCEOの話にあったBB部隊と同じ気配がした。断言は出来ぬが、そういうことだろうな」
「記憶転写の技術によって、“BB部隊の記憶を移された”んですか?」
「いつ解析されたのかはわからんが、彼女達の記憶は精神を破壊して尚余りあるほど悲惨なものだ。正直、BB部隊運用に関してはCEOの決定と言えど気に喰わんが、元々は『愛国者達』から奪い、結局救えなかった者達だからな……。あの運用もCEOの目的を聞いた以上は仕方のないことだと割り切りはしたが、しかし……それがこういう形で次元世界に影響してくるとはな」
「今の彼女達は植え付けられた記憶のせいで暴走しているの?」
「豹変の理由はそれだろうが、装備が変わっている理由は不明だ。何にせよ、一刻も早く帰還し、あの博士を問いたださねばならぬな。あまり悠長にはしていられん」
と、呟いたディアーチェの端末に狙ったかのようにCALLが入る。通信を繋げると、相手はこの問題の渦中になりかけている人物、スカリエッティ博士だった。
「この状況でそちらから通信してくるということは、説明してくれると見て間違いないな?」
『無論さ。むしろ彼女達を正気に戻す力を貸してほしいからこそ、急ぎこちらから誠意を示したんだ』
「ほう、だが詳しく説明を聞くのは後でだ。ひとまずこれが“事故”なのか、“事件”なのか、それを聞きたい」
『ふむ、その二択で答えるならば“事件”が妥当だね。メンテナンス、あるいは製造中だったとはいえ、彼女達の精神に私自身が何かした訳ではない』
「故意でも過失による事故でもないのだな。ならば相手は貴様でも対処できん頭脳の持ち主なのか?」
『まぁ、電子戦は本業じゃなくとも負けない自信はあったんだがね。まさかこの私が負けるとは本当に思いもよらなかったよ。無限の欲望たるこの私が、勝負にすらならなかった……あまりに一方的だった……』
「なんと……貴様が全く太刀打ちできなかったのか?」
『非常に屈辱だがその通りさ。情報、記憶、術式、ウイルス、バグ……電子におけるありとあらゆる武器がまるで一つの生き物のように娘達の精神に喰らいついて、津波のように汚染していったんだ。とはいえ、私の方もむざむざ敗北した訳じゃない。相手の端末からほんの少しだが情報をかすめ取ることができた。“デウス”という固有名詞らしき言葉なのだが……君達は心当たりがあるかい?』
「
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