追憶のアンサング
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第13独立世界フェンサリル、イザヴェル東地区
アウターヘブン社FOB 待合室
エルザから事情聴取を行う予定の部屋に搬送されたはやては、そこでレヴィと二人で連邦の士官が到着するのを待っていた。今回の事情聴取に全員が同席する必要はないため、リインやシグナム達は別室で待機している。
「大丈夫?」
「緊張してきたせいかな、お腹痛い……」
「さっき連絡が来たんだけど、もう少しで来るってさ」
「じゃあ私はその人の前で無実を証明すればええんやね」
「そうなるんだけど、誰が来るのか教えてくれなかった点でボクは心配なんだよ。こういう仕事してる人の中には、ホラ、何ていうか……ね?」
「始まる前からそんな不安を煽るようなこと言わんでくれんか……すっごいドキドキしてきたわ」
「ドキドキで済めばいいんだけど……ここで来るのが“アイツ”だったら、ボクははやてんに疫病神が憑いてるって断言できるね」
「知り合いの中でも特に人懐っこいレヴィちゃんにそこまで言われるなんて、その人ってどういう人なん?」
「一言で言うなら……超ドS」
「超ドS?」
「そこそこ昔の話なんだけど、アイツのいる世界に無断で侵入してきた犯罪組織がいたんだ。管理世界で主に暴力や魔法関係の犯罪をやらかし過ぎたせいで管理局に目を付けられたその犯罪組織は、管理局の手の届かない管理外世界に隠れ蓑を作ろうとしてその世界に逃げ込んできた」
「管理外世界に逃げられた時点で管理局の大失態やんか……」
「彼らは少し前の管理局と似て過激な魔力至上主義に染まってて、魔導師である自分達こそが至高、それ以外は底辺の存在としてしか見ていなかった。つまり魔力の無い人は彼らにとっては奴隷同然だったわけ」
「力に溺れた愚か者はいつの時代もいるんやね……」
「で、例のアイツに話を移すけど、アイツははやてん達と同じく管理外世界出身でありながらリンカーコアを持ってるから、一応魔導師のくくりには入ると思う。だけど使うのはミッド式でもベルカ式でもない彼が独自に作ったもので。それはその犯罪組織との交戦中に編み出したものなんだ。ユーノからレイジングハートをもらって魔導師になったなのはとは違って、道具無しでスタートしたタイプってワケ」
「デバイスのサポートも無しに自ら魔力の使い方を導き出したって、私らとはまた別の方向ですごい才能があるんやね」
「まあそこで終わるならまだマシなんだけど……正規部隊の増援が到着した時、犯罪組織のメンバーは全員死体で発見された。アイツは無傷で立ってて、死体の山の前で笑ってたらしい……。普段からつまらなさそうな顔ばかりしてた彼が、その時はまるで新しいおもちゃを手に入れた子供みたく笑ってたんだって」
「ッ……!」
「彼はそ
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