追憶のアンサング
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化したジャンゴは無防備なので、クローンを作られたりなど悪用されないためにも誰かが傍で守らなければなりません。二人とも情勢の見極めも含めて、しばらく世間から身を隠して暮らした方が良いでしょう」
「でもヴァナルガンドの封印に使う要探しはどうするの?」
「王とユーリに任せてみては? サクラはロストロギア鑑定の知識なんて持ってないですし、アウターヘブン社が掴んだ管理局の保管したロストロギアの情報も一応極秘扱いなので……」
「あ〜私には情報開示の権限が無いって訳か。まあ、専門家に任せた方が良いってことには納得かな」
「大体探し物は単独で行うより組織で行った方が効率は良いです。それにサクラがジャンゴの傍にいてくれれば、私達は非常に安心できます。なにせ次元世界の情勢は混沌としているので、いずれアウターヘブン社の介入が結果的に状況を悪化させてしまいかねない時があるかもしれません。そんな時に社会のしがらみに縛られず自由に動ける、信用のおける誰かがいるというのはとても頼もしいんです」
「そ、そこまで言われたら反論できないや……。わかった、お兄ちゃんの石化が治るまで一般人らしくするよ。いっそ花嫁修業でもしてみようかな。ところでシュテルちゃんはこの後どうするの?」
「私はまだ虚数空間でデータ収集を続けなくてはなりませんし、調べたいこともあります」
「調べたいこと?」
「虚数空間はこれまで誕生し、滅びた周回世界全ての残骸が集まる場所。故に周回世界の情報はここにしか残されていません。『次元世界の未来は、周回世界の過去』とも言えるので、まだ起きていない事実を探るにはここを調べるのが最も近道なのですよ」
「回りくどいけど、未来人に未来の出来事を尋ねるようなことをしてる訳だね」
「実際は過去の人に尋ねてるのですが……要は私も一通り手を尽くす前から諦めたくないだけですよ。さて、伝えるべき話もこれで十分しましたし、そろそろあなた達を地上へ送り返しましょう。こちらへ」
再びジャンゴを背負い、シュテルは家屋を出て虚無の草原を歩き出す。彼女の案内する先でサクラが見たのは、祭壇のような場所の中央で、淡い光が中で渦巻く謎の穴だった。
「これは?」
「現実世界と虚数空間を繋ぐワープポイントです。星が壊せるほどの力があれば、現実世界と虚数空間の穴は力づくでこじ開けられますが、そんな力を振るえば周囲に被害が出るのは当然のこと。なのでそういった影響が出ない穏便な移動手段が無いか探した所、このようなものが存在していたのですよ」
「ヴァナルガンドやあの残留思念がこの穴を通ったりはしないの?」
「どうでしょう……ヴァナルガンドはこの穴の存在を知らないので、確かめたことがありませんから。ただ、残留思念はこの穴を通れないことは確認済み
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