追憶のアンサング
[1/22]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
2年前
第13独立世界フェンサリル
「ッ!!!! 皆伏せろぉ!!!!!!」
ジャンゴが叫んだ次の瞬間、部屋が爆炎に包まれた。
咄嗟にサクラ達を抱えて倒れこんだ彼の背中を容赦なく時限爆弾の炎が焼き、即死級の痛みでジャンゴの顔が苦痛に歪む。ホテル内は火災警報のベルが鳴り響き、突発的な事件に周囲の客が急いで逃げ出し始める。
「お、お兄ちゃん! 私達をかばって……!」
「そこかぁ! ジャガーノート!!」
かばわれた体勢のまま、不穏な気配を感じたポイントへジャガーノートを発射するディアーチェ。その対応の速さ故に襲撃者は隠れるどころか回避も間に合わないと判断し、防御態勢を取った直後に闇の砲撃が直撃、小規模の爆発で一帯が煙幕に包まれる。
「サクラ、貴様はアギトと共にジャンゴを連れて下がれ! 招かれざる客の相手は我らがするぞ! レヴィ! ユーリ!」
「了解。ごめんねサクラ、せっかく遊びに来たのに襲われる羽目になって。その尻拭いぐらいはさせてね」
ディアーチェに続いてユーリと共に臨戦態勢に移ったレヴィは、指示通りに下がりつつあるサクラ達に向けて謝罪する。その寂しげな子犬みたいに落ち込んでるレヴィに対し、サクラは首を振る。
「ううん、レヴィちゃんが謝ることじゃないよ。それよりも、皆で無事にこの場を乗り切ろう!」
「……うん! 任せといて!」
気を取り直したレヴィは煙幕の中にいる襲撃者に対し、改めてバルニフィカスを構える。相手のアクションへ瞬時に反応できるよう、爆発による炎がまだ揺らめく部屋の空気の流れにすら意識を集中するマテリアルズ。意識が朦朧としているジャンゴを背負いつつ、サクラはマキナの遺品となったシャマルの本から学習中の、まだ不慣れな回復魔法で彼の治療を開始する。マキナと違って治療中は完全に無防備になるが、彼女達ならどんな襲撃者が相手でも大丈夫だと思い、背中を預けた。
そして砂漠の風で煙幕が晴れて襲撃者の姿が露わになると、マテリアルズは敵戦力の分析を発見と同時に終わらせる。
「怒れ! マテリアルズ! 感情を露わにしろ! もっと怒っていいんだ! 怒りは怒りを産む! さぁ! 怒って見せろ!」
強化服から浮かび上がる肉体のラインで女だと思われるが、マスク越しで顔が見えない敵が怒りの声と共に、背負っているグライダーが奴の怒りを具現化するように燃え上がり、高速戦闘機に匹敵する速度で地面へ飛翔、驚くべき事に水の中に消えるように潜っていった。
「装備は専用強化服にグライダー、それとグレネード類が多数……時限爆弾を設置したのは彼女で間違いないでしょう」
「目視できる敵は一人だが……あの地面に潜る能力、もしや……。いや、詮索は後だ。とにかく潜伏したの
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ