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沼地での死闘
第三章

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「今からな」
「調べるな」
「そうするわ」
 こう言ってだ、白は自慢の鼻を活かしての捜査をはじめた。蒲は蒲で獣使いとしてモンスターや獣達を出して捜査を行ったが。 
 ここでは白の鼻と弓兵の感覚に軍配が上がった、白は蒲を杭州から少し行ったところにある沼地に連れて行った、そこでは十人位の冒険者が水辺のモンスターと戦闘を行っていた。蒲はその状況を見て白に言った。
「この沼は」
「ああ、ギルドの依頼で出てたな」
「モンスターが出てるっていう沼地やな」
「そやな、拙者達もな」
「依頼受けてたしな」
「丁度ええな、そしてな」
 白は蒲にさらに言った。
「ここにや」
「妹さんがおるんやな」
「そや」
 こう蒲に答えた。
「間違いないわ」
「匂いがか」
「ここにはっきりある、目は誤魔化せてもな」
 それでもというのだ。
「鼻はや」
「誤魔化せへんのやな」
「そや」
 蒲に強い声で答えた。
「それはな」
「狼人の鼻はやな」
「目よりも遥かに確かや」
「それでどんな匂いもやな」
「嗅ぎ分けられてな」
 そしてというのだ。
「見付けられる」
「それでやな」
「そや、それでな」
「この沼地にやな」
「妹さんの、しかも動いてるな」
「その匂いを感じるか」
「間違いないわ」
 確信を以てだ、白は蒲に話した。
「それでや」
「これからか」
「そや、探してな」
「ついでに沼地のモンスターも倒す」
「そうするか」
 白は自身の神具である覇王弓を構えた、その背中にはもう一つの神具である開天殊がある。その二つの神具の力を使ってだった。
 弓を空を飛びつつ放ってモンスター達を倒していった、他の冒険者達と力を合わせつつ。穂もモンスターや獣達を使役し術も使う。そうしてだった。 
 二人で戦っていた、その中でも白は鼻を使った。そうして一匹の白い蝦蟇を見て蒲に対してこう言った。
「この蝦蟇がな」
「まさか」
「そのまさかや」
 こう言うのだった。
「あの娘の匂いがするわ」
「そうか、わかった」
 ここでだ、蒲は言った。
「タチの悪い奴がな」
「そや、妹さんを攫ってな」
「蝦蟇に変えてたか」
「そや」 
 その通りだというのだ。
「それでや」
「ここに置いてたか」
「沼地に蛙がおってもな」
「特にやな」
「誰も何も思わんやろ」
「草原にバッタがおるのと同じや」
 蒲もこう言った。
「そやからな」
「わからんやろ」
「相当頭のええ奴がそうしたな」
「しかもタチの悪いな」
「それでや」
 白は考える顔でさらに言った。
「多分や」
「妹さんを蝦蟇にしてここに置いた奴は」
「ここにおる」
 この沼地にというのだ。
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