220部分:オレンジは花の香りその三
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「飴食べてもね」
凛はふてくされた顔で自分の鞄から飴の袋を取り出した。レモンのキャンデーだ。そしてそこから一つ取り出してそれを口の中に入れるのだった。
「気が晴れないし」
「そうなのよね。とにかく晴れないとね」
明日夢もそれに応えてまた言ってきた。
「どうしようもないわよね」
「全く。ところで少年」
凛がその明日夢に声をかける。
「飴いる?」
「くれるの?」
「うん、一個ね」
言いながら早速袋から一つ取り出してきていた。
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