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ある晴れた日に
217部分:思いも寄らぬこの喜びその十七
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ったよ」
 そんな話の中竹山がポツリと言った。
「本当にね」
「何がよかったの?」
「お芝居無事に終わったじゃない」
 千佳の問いにこう返したのだった。
「だからね。それはよかったよ」
「そうね。今それを御祝いしてるんだし」
 皆やっとそのことを思い出した。
「それは素直に祝ってね」
「そうしようか」
「それじゃあ。皆」
 また未晴が静かな微笑みと共に皆に声をかけてきた。
「もう一度グラス取って」
「ああ、そうだね」
「それじゃあね」
 皆もそれに応え杯を取る。そうしてやることは。
「かんぱーーーーい」
「また飲むわよ」
 こうしてまた飲みだすのだった。飲みながらまた明日夢と凛がいちゃいちゃとしだしたのだった。
「やっぱり凛がよかったせいよ」
「少年もよかったわよ」
 お互い背中に手を回して笑顔で言い合っている。
「ヒロインがいてくれたから成功したのよ」
「主役がしっかりしていないとあそこまでならなかったわ」
「この二人やっぱりな」
「ああ。怪しいよな」
「そうね」
 皆このことは否定できなかった。
「何ていうかもう今にも最後の一線越えてしまいそうな」
「っていうかもう越えてない?とっくの昔に」
 何はともあれ芝居は大成功で今はそのことを祝うのだった。楽しい時はそのまま過ぎていく。長い不幸や苦しみがその先にあるとしても。


思いも寄らぬこの喜び   完


                2009・3・5

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