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ヒュアデスの銀狼
SS11  ヒュアデスのフェンリール(銀狼)
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な…。』

「カズ…。」
 かずみは、涙を流しながら、すべてを焼き払うため杖を振り上げようとした。

 その時。

「残念。時間切れだ!!」

 帽子に乗せたソウルジェムの山を、カンナが中にばらまいた。そしてコネクトと唱え、コネクトの光の糸のようなものがカズの残骸とソウルジェムから孵化したグリーフシードを繋ぐ。

「まずい!」
「止めるぞ! うぁ!?」
 近寄ろうとした途端、凄まじい衝撃が発生し、三人は吹っ飛ばされた。

『ぐ…が…ぎあああああああああああぃぃいいいいいいいいいいいいい!!』

「カズ…。」

 カンナは、涙を目に溜めていた。
 グリーフシードが溶け、コネクト伝って、カズの体に流れ込んでいく。
 ベキベキメキメキと、カズの体が再生し、オオカミの魔獣としての姿が変化していく。
 二本足になり、背中から映えていた翼がコウモリの翼へと変わり、枚数が左右で六枚へと変わる。
 白銀の毛皮はそのままに、角もそのまま。
 だが、体長は、40メートルはあろうとかという巨体へと変化した。
 尻尾もカンナのコネクトに似た、奇妙なコード状のソレへと変化した。
『ハア…ハア…。』
「カズ!」
『だいじょうぶ…だ…!』
『へえ、それが強制進化か。しかし…。』
『まだだ…。』
 キュゥべえが、言いかけた言葉を、カズが遮った。

『コネクト!!』

 カズがそう叫び、尻尾のコネクトの糸を、自身の結界と同時に広げた。
 それは、あすなろ市を包み込み、途端、異変が起こる。
『これは…。まさか…そんなことが…。』
 市内中の人間達がバタバタ倒れ、フワリッと体から小石のような物が現れる。中には、ソウルジェムもあった。
 それらは、すべてカズの周りに集まり、やがて黒い煙を出しながら濁って小さなグリーフシードや、普通のグリーフシードに変わっていった。
 それらは、すべてカズの体表に吸い込まれるように消える。途端、ドクンッとカズの体が脈動し、一回り大きくなった。
『素質の有無にかかわらず、あらゆる人間の魂をソウルジェムに変えて、グリーフシードにして、喰らっているのか!?』
「なっ!? そんなことが…!」
『早く、アレを倒すんだ! 結界の範囲が広がってきている! このままじゃ…、世界中…いや、地球を包み込むかも知れない!』
 キュゥべえの焦った声と言葉に、かずみ達は驚愕した。

「すごい…すごいわ。カズ! 私のオオカミさん!」

 カンナがカズの肩の上でカズの首に抱きついていた。

『まだだ。』
「えっ?」
『オレは……、否定する。』
 カズは、天を見上げ、再びコネクトっと叫んだ。
 コネクトの糸が天
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