外伝〜鉄機隊、再び〜
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息を吐いた後不安そうな表情を浮かべた。
「デュバリィはああ見えて、元貴族です。今は滅びた彼女の故郷は辺境ではありましたが、彼女自身両親から貴族の令嬢としての英才教育を受けていますから、意外に思えるかもしれませんがデュバリィは文学の他にも、歴史、数学、政治経済の知識も豊富です。」
「そ、そうだったのですか…………ちなみに他の二人はどのような経緯で、それぞれが担当する座学を教えられる程の知識があるのでしょうか?」
リアンヌ分校長から聞かされたデュバリィの意外な経歴に目を丸くしたミハイル少佐はアイネスとエンネアの事について訊ねた。
「アイネスはかつて遊撃士として活動していましたから、政治に不干渉を謳って言えるとはいえ、世の流れを知っておくことは遊撃士にとって必須ですから当然アイネスも政についての知識も十分にあります。エンネアは”とある教団”によって洗脳と異能開発をされた経緯で、医学の分野に関して専門家も知らないような知識も一部知っていますから、主任教官殿の心配は無用ですよ。」
「……………………フウ………まさかこのような形で謎に包まれていた”鉄機隊”の過去を知る事ができるとは、想定していませんでしたが…………とりあえず、彼女達に座学を任せても不安はない事は理解しました。複数の座学を担当していた自分やハーシェル教官の負担が減る事は正直言って助かりますので、メンフィル帝国の思惑があると思われるとはいえ今は彼女達の派遣を素直にありがたく思っておきます。」
リアンヌ分校長から聞かされた鉄機隊の面々の驚愕の過去を知った事で冷や汗をかいて表情を引き攣らせたミハイル少佐は大きな溜息を吐いた後静かな表情で答えた。
こうして………デュバリィ達元鉄機隊が第U分校の教官としてリィン達の仲間になった。なお、後にデュバリィ達の件を知り、『第U分校ばかり本校には存在しない特別なカリキュラムが増える事は不公平』というセドリック皇太子の意見によって実戦技術・応用のカリキュラムは本校でも追加される事になり、デュバリィ達は本校の生徒達にも実戦技術・応用を教える為に分校と本校行き来するという普通に考えれば苦痛に思えるような負担を負う事になったデュバリィ達だったが、再び心からの忠誠を捧げたリアンヌの下で己の業を磨き、振るえる嬉しさの方が勝っていた為、デュバリィ達にとっては何の負担にもならなかったという――――
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