第六章
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「当然だよ、けれどね」
「何もしたら駄目なの」
「憎しみに身も心も任せて人を殺したら」
グレイカスは遠い目になって少女に話した。
「そこからは冥府魔道だよ」
「冥府魔道・・・・・・」
「そこに行ってしまうよ」
「そうなの」
「その先は人の姿形でも」
それ自体はそうでもというのだ。
「その心は人でない」
「そうなってしまうの」
「そうだよ、だからね」
「私は今は絶対に」
「誰も殺したら駄目だよ」
こう少女に言うのだった、その遠い目で。
そしてだった、アユと共に少女とモンスターの前に立って彼女に過ちを犯させない様にしてだった。
そのうえで村長の家の扉を叩いて中に入った、すると村長は。
少女とモンスターの姿を見てその顔を真っ青にさせた、そうして。
家の中にあった槍を手に少女とモンスターに襲い掛かろうとした、だがその彼の首を。
グレイカスは剣で一閃した、村長の首は吹き飛び天井にぶつかってから床に落ち鮮血を撒き散らしつつ転がってやがて動かなかくなった。
首を失った身体も切断された首筋から鮮血を噴き出していた、だがやがてゆっくりと後ろに倒れた、グレイカスはその目をこれ以上はないまでに蔑みつつ言った。
「これで終わりじゃないからね」
「そやな、これからな」
「生き返らせて裁判にかけて」
「じっくり報い与えてやろな」
アユも蔑んだ声で言った、そしてだった。
生き返らされた村長はようやく二人のところに来た村の駐在に素性を明かした二人にことの次第をきかれたうえで駐在により逮捕された、その後でモートモレスビに本部があるパプワニューギニア警察に引き渡され徹底的な取り調べを受けた。その結果様々な犯罪行為が明らかになり炮烙の刑の後で魂も消された。
村は新たに選挙が行われ前村長の息子が村長になりまともな村政が行われる様になった、そして村人達は。
村長の暴挙を止められず少女の母を追い出し少女を無視したことをグレイカス達によって少女に謝罪させさせられた、だが。
少女は俯いたままこう言った。
「お母さんはもう戻って来ないから」
「だからだね」
「寿命だったみたいだし」
そのこともあってというのだ。
「いいから」
「そうなんだね」
「うん、謝られなくても」
こうグレイカスに言うのだった。
「私はもう」
「そうなんだね、けれどね」
「けれど?」
「君のこれからだけれど」
グレイカスは少女にこのことを話した。
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