第三章
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「いなかったよ」
「そうなの」
「何かおかしいよ」
「依頼主もおかしいし」
「うん、これはね」
どうにもと言うのだった。
「どうにもね」
「胡散臭い話ね」
「そうだね、けれどね」
それでもとだ、グレイカスはアユに話した。
「これが神託だから」
「行こな」
「うん、あの村長さんの思惑は気になるけれど」
「ほんまにヒポグリフがおるか」
「そのこともね、あと」
グレイカスはアユにこうも言った。
「何か依頼の話したらギルドの人達も村の人達も」
「変な態度やったな」
「何かに怯えてるみたいな」
「そんなのやったな」
「このこともね」
「随分気になるな」
「そうだよね」
「ほんまに胡散臭い依頼やな」
「そうだよね」
二人はこのことも気になった、そしてだった。
「そのことを見てもね」
「あの怯え方は」
「多分ね」
「村長絡みやな」
「そうだろうね」
このことについても話しながらだった、二人は山の中を進みその中にある同靴を見付けその中に入って調べることにした。
するとその奥に村の部族の女の服を着たオークの骸骨があった、その骸骨を見てグレイカスは言った。
「村の人かな」
「はい・・・・・・」
骸骨からすうっ、とだった。若いオークの女が出てきた。オークの美的感覚の美しい顔立ちの様だ。身体が透けていることから幽霊であることは明らかだ。
この上なく悲しい目をしている、グレイカスもアユもその目を見て思わず息を飲んだ。だがグレイカスはその中で言ったのだ。
その幽霊がだ、グレイカスに答えて話した。
「私はこの山の麓にある村にいた娘です」
「そうだったんだね」
「それがです、今の村長に無理矢理」
「ああ、あの村長はね」
グレイカスもその話には納得した顔で応えた。
「そんなこともね」
「はい、そして身ごもり」
「あの村長だとね」
グレイカスはさらに言った。
「その貴女が邪魔になって」
「悪魔の子を身ごもったと言い回って」
そうしてというのだ。
「私を村から追い出したのです」
「死んだということにでもしてかな」
「そうでした、そして村の誰もが」
「部族の長でもある村長さんにはね」
「逆らえず」
そしてというのだ。
「そして」
「貴女の追放に手を貸した」
「はい、私はこの山に逃れ」
「子供を生んでかな」
「ずっとその娘を何とか育てていましたが」
それがというのだ。
「一年前に」
「そうだったんだね、あとね」
グレイカスは村長についてこれまで以上に嫌悪を感じつつ女の幽霊に尋ねた。
「僕達モンスター、サンダーヒポグリフを倒して欲しいとね」
「その村長に言われたんや」
アユも尊重への嫌悪を、それもグレイカス以上に答えつつ話した。
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