第一章
[2]次話
おかしくなった自然
郭神暦と魯舎は今は郭の神託で中国広東省広州に来ていた、この街は広東の中心と言ってよく水運でも栄えている街だ。
だがこの街に来てすぐにだ、郭はこう言った。
「いや、神託に来てすぐにね」
「おかしいことに気付いたな」
魯もこう返した。
「一瞬でな」
「何、あれ」
郭は目の前を運ばれている全長十メートルはある鯉を指差して言った、大きな車にでかでかと乗せられている。
「あんな鯉いないよね」
「この世界におる大鯉でも三メートルやろ」
「あの鯉十メートルあるから」
「そんな魚この世界でも川にはおらんな」
魯もこう言うことだった。
「湖にもな」
「そうだよね」
「アマゾンでもおらん筈や」
様々な生物がいるこの地域でもというのだ。
「それが何であんなんおるねん」
「明らかにおかしいからね」
「何か木もな」
魯は今度は広州の街中の木達を見た、見ればその木達もだった。
「妙に大きいな」
「大木ばかりだから」
「これは明らかにな」
「何かあるね」
「これが自分の神託やな」
「僕もそう思うよ」
郭はこう魯に応えてだった、そのうえで魯と共に一旦市庁舎に言ってそこで自分達の身分を明らかにして市長と会って街のことを尋ねた、すると市長の李麗姫はこう言った。スリックの中年の女の市長である。
「はい、ご覧の通りです」
「動物や植物がね」
「急に大きくなっています」
「明らかにこれはおかしいよね」
郭は市長に言った、隣には魯がいる。
「やっぱり」
「明らかに異変がありますが」
「その異変の元がだね」
「何なのかわからず」
それでというのだ。
「私達もです」
「これは困るよね」
「川魚が何メートルもあったり」
「木も異常に大きくなったりね」
「猫や犬が虎や熊並の大きさです」
「猫が虎並に大きかったら」
どうかとだ、魯が眉を顰めさせて言った。
「それ猛獣やろ」
「はい、猛獣が何匹もこの広州の街を歩いてる」
「そうした状況やな」
「この状況を一刻も早く何かしたいですが」
市長は二人に切実な声で言った。
「原因がわからず」
「困るよね、ただ」
「ただとは」
「ここまでの異変は相当なことがないと」
それが広州という一都市だけのことにしてもとだ、郭は市長に話した。
「起こらないからね」
「左様ですね」
「これはね」
まさにというのだ。
「大きなことから調べていくべきだね」
「では」
「僕達は縁あってここに来たから」
自分自身の神託でとだ、郭は市長に話した。
「だからね」
「この度は、ですか」
「僕達がね」
こう市長に話した。
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