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【完結】猫娘と化した緑谷出久
猫娘と最終章:さらに向こうへ
NO.111 家庭訪問
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誘拐にまで発展してしまいました。
私の考えとしましては、どこの学校に通わせてもどこかで出久の個性の情報が洩れれば同じように誘拐騒ぎになっていたとは思います。
ですが! 出久が誘拐される以前にはすでに雄英高校は出久の個性について大まかにではありますが知っていたというのはもう聞いています。
なのに、ただ情報を規制しただけで、これといった対策も取らないままにこういう事態にまでなったのは雄英の落ち度だと私は確信しています」

長々と喋り続けたのか喉が付かれたのか一回水を飲む引子は、それでもその眼には雄英に対する不安がありありと浮かんでいた。
出久も出久で引子の言葉が否定できる部分が見つからずにただ黙っているしかできないでいた。

「……出久はあなたに憧れています。そして先日の戦いの映像も見させてもらっていました。一市民としましては感謝の思いでいっぱいです。ですが、それとこれとは別問題で出久もこのままヒーローになってあなたのような過酷な道を歩まれる事になるんでしたら…………私は無個性のまま、ヒーロー達を応援するだけの傍観者としてのままの方が幸せだったんじゃないかって思うんです」
「お母さん……」
「確かに出久の個性によってたくさんの人達が命を救われたのは事実です。私も出久に倣ってネットなどで出久の事などを見る事も増えました。中には出久に対する感謝の言葉など好意的なものが多く見られました。でも、それ以上にオールマイトの引退の原因になったという批判や中傷の声も少なからず見られました」
「ッ……」
「…………」

それで出久は苦い顔になり、オールマイトはそれでも聞きに徹しているのか無言のままであった。

「そして今のヒーロー社会は、もう出久をなにがなんでも必要としている事も自覚してしまいました。あそこまでの奇跡的な“個性”……放っておく手はありませんからね。出久はもうヒーローになる以外の道は無くなってしまったという感想もあります。
それも踏まえて、また同じことが起こるかもしれないという思いがあるんです。
どこの学校に通わせても同じような気はしますが……それでも、少なくとも今の雄英高校に出久を通わせてあげられるほど私の肝は据わっておりません」
「お母さん……」

引子は涙を流しながらそうオールマイトに訴えた。
それは親ならだれでも思うであろう帰結でもあった。

「あなた方がどれだけ素晴らしいヒーローでも関係ありません。幾度もヴィランに襲撃されてまともに授業も続けられない……生徒達への被害を抑えられない……そんな学校に私は出久を、娘を通わせたくありません……」
「お母さん! でも、僕は……」
「緑谷ガール、座ろうか」
「でも……」
「いいから」
「はい……」

オールマイトの説得によって着席する出久。
引子は落ち着
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