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ポケットモンスター〜翠の少年の物語〜
第五話
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ザッという足音は、確実に僕の方に近づいてきていて、僕の近くで止まった。すぐ後ろに、その足音の主が、こちらを見ているように感じた。
 僕はゆっくりと、その人を見るために振り返ろうとした。










「…………ふぇ?」

 気がつくと、見知らぬ天井が視界に入っていた。毎朝嫌という程見てきた自分の部屋の天井ではなかった。
 しばらく考えて、ここがポケモンセンターの一室であったことを思い出す。

「……なんだったんだろう…………?」

 全く見た事のない光景が広がっていた夢の内容を思い出して、寝起きの頭は完全に混乱していた。
 
「おはよう、ミツル」

 そんな僕に話しかけてきたのは、当然ながら、一晩を共にしたユウキくんだった。とっくに着替えていて、ポケモン図鑑を手にしていた。

「……おはようございます。今何時ですか?」
「七時半だ。寝坊はしてないぞ」

 ユウキくんはそう言って、部屋のカーテンを開けた。昨日と同じ、雲一つない、晴れ渡った空が広がっていた。

「さ、飯食ったら、ラルトスの様子見に行こうか」

そう言って笑ったユウキくんの笑顔は、やはり、年相応の笑顔に見えた。

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