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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
外伝〜灰色の騎士と盤上の指し手の覚悟〜 後篇
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〜第U分校宿舎〜

「……………………――――はい。例えその結果アリサに嫌われ、婚約が解消されようと…………俺や多くの人達の未来の為…………世界を”終焉”へと導く主犯格の一人が身内である事で罪悪感や責任感に押し潰されるかもしれないアリサの為…………4年前エステル達が解決した”リベールの異変”、2年前みんなの協力によって終結する事ができた七日戦役、内戦、そしてクロスベル動乱を無駄にしない為にも、俺はギリアス・オズボーン並びにフランツ・ルーグマンを討ちます。」

「兄様…………」

「お兄様…………」

「旦那様…………」

「……………………」
リアンヌ分校長の問いかけに少しの間目を伏せて考えた後目を見開いて決意の表情で答えたリィンをエリゼ、セレーネ、アルフィンは辛そうな表情で見つめ、ゲルドは複雑そうな表情で黙り込んでいた。
「―――ですがその代わりと言っては何ですが、オズボーン宰相達の計画に加担し、”黒キ星杯”でも阻んで来ると思われる人物達の内の一部の人物達の処遇をかつてのアルティナの件のように俺に委ねて欲しいのです。」

「リィン教官…………」

「ふふっ、さすがリィン教官ですわ。」
リィンの要求にアルティナが驚いている中、ミュゼは微笑んでいた。


「ふふっ、なるほどね…………多分、リィンお兄さんが言っているその人物達はシャロンお姉さんと”蒼のジークフリード”――――いえ、クロウ・アームブラストでしょう?」

「はい。それとクレア少佐もです。」

「あら、”氷の乙女(アイスメイデン)”も?リィンお兄さんって、クレアお姉さんとそんなに接点があったかしら?」

「クスクス…………そういえば、先日のフォートガードの演習の際夜のラクウェルから帰還した後、私達が寝静まった頃にクレア少佐とサラさんといい雰囲気になって、お二方からベーゼをして頂いたとの事でしたものね♪」

「ええっ!?あの後クレア少佐とサラさんがお兄様に!?」

「という事はあの二人は少なからず教官に好意を寄せているんだ…………」

「ふふっ、まさかあのお二人を同時に攻略するなんて、さすがは旦那様ですわね♪」

「まさに油断も隙もありませんね、リィン教官のその”癖”は…………」

「…………兄様?今の話は私達も初耳なのですが、一体どういう事があってそのような事になったのか、詳しく説明をして頂いても構いませんか?」
リィンの指摘した人物が意外な人物も含まれている事にレンが目を丸くしている中、小悪魔な笑みを浮かべたミュゼの指摘にセレーネは驚き、ゲルドは呆け、アルフィンはからかいの表情でリィンにウインクをし、アルティナはジト目でリィンを見つめ、エリゼは膨大な威圧を纏って微笑みながらリィンに問いかけた。
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