第1部
ロマリア〜シャンパーニの塔
危険な盗賊退治(道中にて)
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間をアリアハンで募集している』って。たぶん私の村だけじゃなくて世界中でそういうお触れがあったと思うんだけど。それでその募集を受けにロマリアの近くにある関所を通ったあとポルトガに行って、ポルトガからアリアハン行きの船に乗ってたどり着いたってわけ」
「へー。あんな最低野郎の仲間になるためにわざわざ海を渡って行ったのか。お前みかけによらずすげーな」
「あー、うん、まあね」
まさかこんな形でナギに感謝されるとは思わなかったので、私はテキトーな返事しか出来なかった。
「あれ? でもお前レベル1だったよな。ポルトガって所まで魔物に襲われなかったのか?」
「ちょうど募集してたときポルトガ行きの馬車があって、それに乗って行ったの」
「へー、馬車とかあったんだ。オレ乗ったことねーからうらやましいな」
「私も初めてだよ。しかもポルトガ王の御厚意で無料で乗せてもらったし」
ナギと馬車談義をしていると、後ろにいたシーラが間に入ってきた。
「ミオちん、もしかしたらあたしと同じ船に乗ってたかもよ!?」
「え? どういうこと?」
「だって、あたしもポルトガからアリアハンまで船で行ったもん♪」
なぜか得意満面な笑みを浮かべるシーラ。
「ひょっとしてお前もあいつの仲間になりたかったのか!?」
「んーん。ポルトガでお酒飲んでたら、お金スッカラカンになっちゃって逃げてきちゃった☆」
てへっ、と舌を出しながら言う彼女の顔は、全く悪びれた様子などない。
うーん……。それって無銭飲食だよね。かといって、いまさらそのお店の代金を肩代わりする度胸もお金もないんだけど。
そんな会話を時折しつつ、途中魔物とも戦い、何度か休憩をするうちに、あっという間に日が落ちた。
だが、道のりは思ったより進まなかった。目的地まではあと半分以上ある。それでも、現在地がわかる地図を持っているのが唯一の救いだった。きっとそれがなければ、いつ着くかもわからず延々と歩き続けるはめになっていただろう。
その日は結局野宿をした。交代で見張りをしながらだったので、ある程度睡眠をとったとはいえ完全に眠気が取れたとはいえない。
きっと4人なら見張りの時間ももっと短いんだろうな、と目の前にある魔物避けの焚き火を見ながら、ぼんやりとした頭でそう思った。ふとユウリの顔を思い浮かべて、さらに心が重くなる。
アリアハンで出会ってから今までを振り返って、やっぱり私みたいなレベルの低い足手まといは嫌だったのだろうかと思い込んでしまう。
私を仲間に入れたのも、ルイーダさんに強引に進められたからだし、あの時は他の冒険者たちは帰っちゃったけど、別の日にもう一度声をかけてたら、もしかしたらもっとレベルの高い人たちを仲間に出来たかもしれない。
あー、駄目だ駄目だ、今はそ
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