暁 〜小説投稿サイト〜
天体の観測者
レーティングゲームT
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余裕なんてあるのかしら?」
「それは……」

 懐より取り出されるは一本の瓶

「どうやら此方の方が上手だったようね」
「ま、まさか……」

 ユーベルーナが取り出したのは"フェニックスの涙"
 如何なる傷も癒すことが可能な代物だ。

「ガッカリしたかしら?」
「まさか、こんなことが……」

 文字通り、ユーベルーナが全快の状態で復活する。
 形勢逆転された朱乃が悔し気に表情を歪め、ユーベルーナを睨み付ける。

 予てよりフェニックスの涙を準備し、形勢逆転に成功したユーベルーナは内心でほくそ笑む。
 傷だらけであった自分の身体の傷は癒え、全快した。

 愛する王であるライザーより頂いたフェニックスの涙を遣い、敵を追い込んだのだ。
 対する雷の巫女はまだ余力は残しているが、圧倒的に此方が有利であり、負ける要素など見当たらなかった。 


勝った

この勝負我々の勝利だわ!


 ユーベルーナは自身の策が成功したことに口元の笑みを深め、勝利を確信する。
 気を抜けば高笑いをしてしまいそうだ。

 雷の巫女を撃破した後は、残党を始末してしまおうと既に勝利を疑っていないユーベルーナに……






「なんちゃって」
「……は」

 朱乃の声が届いた。

「なんちゃって、ですわ」
「……は?」

 呆けた声を上げるユーベルーナに対して朱乃は笑みを浮かべる。
 雷の巫女は先程と変わらず、余裕を崩すことなく超然とした態度で宙に浮遊する。

「まさか、本気で私が全ての手札を切ったと思っていたのかしら?」

 朱乃はライザー陣営がフェニックスの涙を使用してくることは予め予測していた。
 リアスからの忠告もあり、朱乃はフェニックスの涙に常に注意していた。

 敵がフェニックスの涙を使用し、形勢が逆転されてしまわないように
 例え、フェニックスの涙が使用されても、余力を残しておくように
 朱乃は終始、全力の半分以下の力で戦っていたのだ。



「見せて差し上げますわ」

 朱乃は両手を腰で構え、拳を強く握りしめる。
 真紅の瞳を細め、身体より魔力を放出する。

「私の真の力を」

 体内で魔力を高め、堕天使の力を解放する。
 全身より雷のスパークが迸り、朱乃の力が急激に上昇していく。

 大気が震え、大地が揺れ、風が吹き荒れる。
 VIPルームにて観戦するサーゼクス達は朱乃の実力に感嘆し、校庭で戦闘を行う一誠は言葉が出なかった。

 眩い閃光がユーベルーナの視界を奪い、周囲を照らし出す。
 今なお朱乃の力は上昇し続け、金色のスパークが大気を走っている。

 途端、眩い閃光がフィールド一帯を包み込み、ユーベルーナが前方を見た瞬間
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