摩耗を抑えて沖田さん!
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部隊を再編した。五十名の小隊を四個編成し、それを一個中隊とする。A小隊を率い、中隊長も兼任するのはカーターで、その下にBからD小隊の小隊長三人をつけてあった。
そして更に別途に二個小隊を編成し、残る二十一名は戦闘部隊ではなく、付け焼き刃になるかも不明だが衛生兵、あるいは工兵として運用する。だがそれは未来があればの話だ。訓練や相応の設備、資源を必要とする以上、今は単なる労働力でしかない。
総勢三百二十一名による一個中隊と二個小隊の変則編成。その編成を決めると一個小隊をそれぞれの小隊長に指揮させて辺りを哨戒させ、残りを休ませる。一時間毎に別小隊と交代させ、その間に俺は人数分の武器を投影するのだ。
それで彼らは七時間休める事になる。些か効率が悪く、最後に交代する小隊以外は仮眠程度しかとれないだろうが、今は緊急時である。堪えてもらうしかない。休めるだけマシだ。
「マスター……根を詰め過ぎです。マスターも休まないと……昨夜は一睡もしてないんですよ?」
沖田が心配そうに窺って来るが、俺は軽く肩を竦めた。
「なに、この程度の無理なら生憎と慣れている。あと二日はぶっ通しでやれるさ」
「……」
困ったように眉を落とし、無言で俺を見る沖田に苦笑する。休める時が来たらちゃんと休むさ、そう言って武器の投影を続行した。
彼らに剣や槍、楯を渡しても十全に扱えはしないだろう。かといって当地の武装では敵に通じない。ただの豆鉄砲だ。故に俺は現代の銃火器を投影する。本来の俺の魔力量では到底賄い切れない量と性質だが、魔力タンクである破損聖杯からの供給で辛うじて間に合わせた。
魔術回路が過剰な魔術行使で熱を発し、激しい頭痛に見舞われるも気力で堪える。二時間掛けて黙々と武器を整えていく俺の傍で、沖田は辛そうに目を伏せて佇んでいた。
「カーター」
「お呼びでしょうか」
アルトリウス・カーターを呼びつける。するとすぐに返事があった。
彼はいの一番に哨戒部隊の小隊長として見回りに出た。その後は六時間の休息が取れるというのに、カーターは俺の声が届く所で待機していたらしい。律儀な奴だと呆れる。
山と積まれた現代の銃火器に、カーターは目を見開いた。この時代の者は見た事もないような突撃銃だ、困惑するのも分かる。
M4カービンである。口径5.56mm、銃身長368.3mm、ライフリング6条右転。使用弾薬は5.56x45mm NATO弾、装弾数20発/30発。マガジンはSTANAGで作動方式がリュングマン式。発射速度は一分で700から900発。銃口初速は秒間905mで、有効射程は点目標500mで、面目標は600mだ。
「人数分ある。今から五時間後、休憩が終わり次第全員に配れ」
「――BOSS、これはい
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