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人理を守れ、エミヤさん!
摩耗を抑えて沖田さん!
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ったい……?」
「BOSSは止せ。コイツはM4カービンだ。扱い方と性能の説明は一度にしておきたい。悪いが後にしてくれ」
「……は、了解しました!」

 敬礼してくるカーターに嘆息する。
 何を血迷ったのか、カーターのみならず他の連中まで俺を『BOSS』などと呼んでくる。曰く俺が軍属ではないため階級がなく、呼び方に悩んだ結果だそうだ。そういう下らない事をどうして考えるのか……しかもよりにもよってボスだと? あれか、俺がマフィアの頭目にでも見えているのか?
 げんなりする。露骨に嘆息して立ち上がると、体が意に反してよろめいた。す、と無言で支えてくれる沖田に目をやり、うっすらと苦笑する。

「大丈夫だ」
「短い付き合いですけど、なんとなくマスターの事……分かって来た気がします。ぜっっったい! 大丈夫じゃないでしょ!?」
「座りっぱなしだったから、急に立ち上がって目が眩んだだけだって」
「いいえ、大丈夫じゃありません! ご自分の顔色、どんなものか分かってます? まるで私が吐血する五秒前みたいですよ!」
「なんだと? それはマズイな」

 予想に反してしつこく食い下がってくる沖田に観念して、俺はその場に座り込んだ。沖田は微妙に納得いかないらしい。
 なんで吐血五秒前って言ったら大人しくなるんですか……なんて。どことなく不服そうである。だが是非もなし、沖田のあれは本気で死ぬ寸前に傍目には見えるのだ。休まざるを得ない。疑似神経である魔術回路も酷使し過ぎているのだから。幾ら魔力があるからと剣でもない物を大量に、しかも短期間で連続して投影し続けるのに無理があったのは百も承知だった。
 だが休むと言っても時間的な余裕がないのも事実である。俺は沖田の目を見て告げた。

「一時間休む。一時間だけだ」
「マスター……」
「起こさなくていいぞ。勝手に起きる」

 樹木に背を預け、河のせせらぎを聞きながら目を閉じる。
 俺は最初から、カーター達や難民から離れた位置にいた。投影のし過ぎで疲れきってしまう姿を見せたくなかったのだ。
 彼らの生きる希望は、困った事に俺らしい。その希望は、強く、頼れて、より掛かれる存在でなければならない。弱っている所は可能な限り見せるべきではなかった。

「……」

 目を閉じると、すぅ、と意識が遠退いていく。訓練したのだ。眠ると決めると、即座に意識が落ちていくように。しかし、それでいて常に些細な事でも目を覚ませる。余程の手練れでもない限り寝込みを襲うのは難しいほどに。訓練に付き合ってくれたバゼットの鉄拳の感触が甦りそうなので深くは考えない。

 微睡む意識が、時を数える。虚無の中を揺蕩う意識は、極限状態故か夢を見る気配すらない。
 ただ闇に抱かれる安息。永遠にそれへ身を任せたくなるが――不意に気配を
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