第五章
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「ここはです」
「それならですか」
「はい、私達もです」
「僕の生まれ故郷の街に来てくれますか」
「一時とはいえ仲間ですし」
「それでは」
「宜しくお願いします」
こう言ってだった。
カイとリサールはハノイに戻りそこでギルドの依頼を果たしたことを証拠である鳳凰の羽根を出して証としてだった。そのうえで。
少年に案内されて彼の生まれ故郷だったハノイ近郊の街に入るとだった、すぐにだった。
少年は二人に自分の家族と幼馴染みを紹介してくれた、見ればその幼馴染みは彼と同じドワーフジャイアントの少女だった。その少女にだ。
カイは微笑んでこう言った。
「貴女のあの腕輪は何処で手に入れられましたか」
「それは」
「あの腕輪は人に渡してはいけません」
「それはどうしてですか?」
横から話を聞いていた少年はカイの言葉に驚き彼にすぐに尋ねた。
「あの腕輪はお守りじゃ」
「お守りはお守りですが」
それでもとだ、カイは少年にも答えた。
「受けたダメージの半分を渡した、もっと言えば造った者に転嫁してダメージを半減させる」
「そうしたお守りですか」
「はい」
そうしたものだというのだ。
「ですから」
「若し僕がダメージを受けていたら」
「その都度です」
「カーラに」
少年は少女を見て驚きの顔で述べた。
「そうなっていましたか」
「だからです」
「お二人は僕に危険なことはさせなかったのですか」
「そうです、これは全てこの方の貴方への愛情です」
カイは少年にこのことも話した。
「全ては」
「そうでしたか」
「どうしても貴方に無事にいて欲しくて」
少女も少年に話した、アジサイがよく似合う少女である。
「それでなの」
「そこまで僕を想ってくれるなんて」
「よき方に想われていますね、では」
カイは少年に微笑んで話した。
「これからもその気持ちを忘れないで」
「カーラをですね」
「大事にされて下さい」
「そうですね、なら冒険者になりたかったですが」
それでもとだ、少年は決意した顔でカイに答えた。
「そんな危険な仕事はしないで」
「安全な、ですね」
「そうした仕事に就きます」
「それがいいです、では」
「はい、この腕輪はカーラに返して」
その腕輪を見ての言葉だ。
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