違和感の交錯
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を振り上げ――
は?
何かの見間違いかと一瞬まばたきしても、そいつは確かにそこにいた。
そいつは、紛れもなくフーケの隣に居た仮面男だった。
あのちょんまげなんだかポニーテールなんだかわからん長さの金髪は、まず間違いない。
あんな奇抜な格好のヤツにそう何人もいられてたまるか。
それらの確認と認識をほんのコンマ秒で済ませ、そいつの周囲、青っぽく見える冷たい空気を視認して。
そいつ・・・が魔法の発動寸前だと直感が認識した途端、俺の体は勝手に動いていた。
何故そうしようと思ったのかは、わからない。
「あぶねえ――!」
仮面の男が誰を狙っていたのかもわからなかったし、その魔法がどんな軌道をとるのかも知らないはずだった。
「……!」
けど、気付いた時には二人の前に出て、
「お、おい相棒!? いったい何を――」
射線を塞ぎ・・・・・、デルフを両手で構え、
「な、待てヒラ――」
ヤツの杖から放たれた指向する電流の群れを、真っ向から受け止めていた。
「―――」
口から溢れた吐息ぜっきょうは目の届く限りを覆い尽くし、視界に天の川が映った、気がした。
……いま、何が起きたのだろう?
「てめえ、待ちやがれ――!」
岩人形ゴーレムが突然崩れて、
「キィ!」
彼が、モールベアを連れて戻ってきて、
ツンとした匂いが辺りを覆って、
「――ナイスだ―グラ――そのま――すなよ――」
彼が、目の前に現れたと思ったら、『雷撃ライトニングクラウド』に灼かれ――
「キゥッ――」
そこにようやく思考が至り、バッと目の前に倒れた彼の胸に耳を当てた。
――どくん、どくん、と低い音が聞こえる。
どうやら、死んではいない、らしい。
少しほっとしながら、『雷撃ライトニングクラウド』の直撃を喰らったところを見てみる。
「よっ―――しとめ……なに?」
剣と共に前に突き出され、『雷撃ライトニングクラウド』を一身に受け止めた両腕は、ともに肘までが焼け焦げた服に覆われて、診ることができない。
「キ――」
パリパリと音の立てて炭化しかけている袖を切り取り、怪我そのものを診て。
「……っ」
絶句。
だいたい二の腕の中ほど辺りから指先に至るまでの皮膚が黒ずみ、びっしりと浮かびあがった血管は破裂しているのか全
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