いつかの面影
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ルイズの部屋の前を通り過ぎていたらしい。
で、そのまま歩き続けて、廊下の端の窓の角っこに顔から突っ込んだ、と。
真性のドジっこ天性のヌケっぷりを遺憾なく発揮している才人であった。
打ち付けた顔をさすり、後ろ、ルイズの部屋のドアの方を振り向いた。
なんか見覚えのある、ルイズの部屋のドアに耳を張り付けた金髪の男子と目が合った。
……。
……。
……ってギーシュじゃねえか!
ここであったが百年目ェッ!
「つかなにやってんだテメェはぁあああッ!?」
「ちょ、ちょっと待ちたまげぼはァッ!?」
全力で拳を握り締め、ちょっと光ったルーンの力で無拍子に加速して、思いっきり地面を両足で踏み切って、なんか喚わめいてる不審な変態の顔面に、全体重を乗せたドロップキックを突き刺した。
慣性を無視して頭から地面に倒れこんだ変態ギーシュの襟首を掴む。
なんだなんだと廊下に出てきた貴族の方々へ“オキニナサラズ”とにっこり手を振ってお帰り願う。
そして変態バカ一名様を引き摺って、ルイズの部屋のドアを開ける。
「おーいルイズ。あ、お姫さまも。
なんか馬鹿が一人、部屋のドアに張り付いて立ち聞きしてやがりましたけど。
どうしますよこいつ」
唖然として出迎えてくれたルイズとお姫さまに、事情の報告をしておく。
なんかルイズがこっちに杖向けてる辺り、警戒されまくってたみたいだ。
いきなり蹴りや夜中に叫んだのはまずったか、と思ったとき、馬鹿が首を振って立ち上がった。
「あいたた……、い、いきなりなにをするか貴様――――ッ!」
躊躇ためらい無く腹にヤクザキックをぶちこみ、くの字に体を折らせる。
ありったけの恨みを込めて。
「やかましいわ覗き魔! テメエに腕折られたの忘れてねえんだよ、こちとらァッ!」
そのまま倒れたギーシュを蹴り回す背後、ルイズとお姫さまの話し声が聞こえてきた。
「……どうします? 姫さま」
「そうね……、今の話を聞かれたのは、まずいわね……」
何を話してたんだ、と才人が意識を逸らした隙を突いて、ギーシュが立ち上がった。
「姫殿下! その困難な任務、是非ともこのギーシュ・ド・グラモンに仰せ付けくださいますよう」
「へ?」
お前は寝てろと蹴倒そうと片足を上げた状態で、才人が固まった。
ちょっと待て、困難な任務ってなんだ?
「グラモン? あなたは、あのグラモン元帥の……」
「息子でございます、姫殿下」
ギーシュ
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