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fate/vacant zero
微熱のお時間
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使い魔が人でも得られたりするのか?」

「分かんないわよ、古今東西、人を使い魔にした例は…………。

 そっか。だからこそ、なのかもしれないわね。素人を玄人にする、ぐらいの効果はあるのかもしれない。

 ……って、あんた、さっき握り締めたら発動するって言った?」


「おう」

「つまり、何も持ってないときのアンタって、素人?」



「おう」



 ルイズがよろめいた。

 くらり、とでも擬音をつけてやろうか。


 かなり似合いそうだ。



「……はあ、わかったわよ。あんたに、剣、買ってあげる」

「あれ、いいのか?」


 ちょっと意外かもしれん。

 いつもの感じで、断られるかと思ったんだが。



「キュルケに好かれたんじゃ、命がいくつあっても足りないし。降りかかる火の粉は、自分で払いなさい」


 要するに、いちいちあんたの面倒ばっかりみてらんないのよ、ってことか、それは?


「いいのか? ていうか、剣ってそんな安いの?」

「なんでよ。結構値は張るわよ?」


 マジか。


「お前って、ケチじゃなかったんだな。飯とかアレだったから誤解してたよ」

「使い魔に贅沢させたら、癖になるでしょ。必要なものだったらちゃんと買ったげるわよ」


 誤解したままにしとけばよかった。



 後悔するはめになったじゃねえかよ。

 毎度毎度だが俺の感動を返せ。


「ああ、そうそう。あんまりルーンのことは言いふらすんじゃないわよ」

「え、なんで?」


「王室直属のアカデミーの耳にその話が届いちゃったら、面倒なのよ」



 面倒って。なんだそりゃ?


「アカデミーって、何やってるとこなんだ?」

「ん? 魔法の研究をしてるとこよ。むしろ、それしかしてないわね」


 科学者みたいな連中の集まりなんかね。


「そこで研究されたらどうなるんだ?」


「人体実験。あんた、解剖されたい?」


 滅相もない。



 科学者は科学者でもマッドな科学者の方かよ。

 んな外道な研究の犠牲者なんぞは甚はなはだ御免だった。



「それがイヤなら、言ったとおりになさい。いいわね?」



 イエス、マム。

 あれ、なんで軍隊式になってんだ俺。

 敬礼してっし。


 人体実験への恐怖かね。


「さ、わかったらさっさと寝る!
 明日は虚無の日きゅうじつなんだし、街まで連れてってあげるわ」


「おう。そんじゃ、おやすみ」



 藁わらたばと毛布のある廊下に歩いていく。

 まあ、これだけわくわくして
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