微熱のお時間
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小鳥一匹だって、あのキュルケに取られてたまるもんですか! ご先祖様に申し訳がたたないわ!」
なるほど。
一族郎党ってのも面倒なもんなんだな。
「まあ、それを抜きにしてもキュルケはだめよ。禁止」
そういうとルイズは、水差しからコップに注いだ水を一息で飲み干した。
「どうして?」
「あのね。平民がキュルケの恋人になった、なんて噂になったら、あんた無事じゃすまないわよ?」
あ、いけね。
ようやく、さっきの部屋で窓からぶら下がってた連中を思い出した。
ついでに、さっきベッドから立ち上がった直前に考えてたことも思い出した。
そう。剣が欲しい。切実に。
となると。
「ルイズ」
「なによ」
「剣くれ。剣」
一番つてのありそうな奴に頼む。
これしかねえ。
「持ってないの?」
あたりまえじゃねえか。
「お前、俺を召喚した時のこと思い出してみろ。俺がそんな長いもん持ってたか?」
あの時はノートパソコンの鞄しか持ってなかったからな。
ていうか、現代日本で日常的にそんな目立つもん持ち歩いてたら一発で逮捕されるわ。
真剣をそこら辺の店でホイホイ売られてたまるか!
「そういえば……。はあ、なんで持ってないのよ? 剣士なんでしょ? あんた」
呆れられても困るし、そもそも認識が間違ってる。
いろんな意味で。
「俺は剣士じゃねえし、剣なんか握ったこともな……かった・・・ぞ」
こないだまで。
「ほんとに? あんた、この前は自在に操ってたじゃないの」
「そうなんだけどな。俺なりに色々と試してみたんだが、このルーンの効果だと思う」
「ふぅん……」
ルイズが自分の考えに耽りはじめたので、俺は俺で実験の結果を伝えることにする。
「剣以外だと、小枝やでかい炭の棒なんかを握り締めても発動したな。
発動中は身体能力や動体視力がすげえコトになるみたいだ。
炭で薪たきぎをぶん殴ったら、炭が木っ端微塵になったぞ」
「や、なんで殴った炭の方が割れてんのよ?」
「堅さの問題じゃねえか?」
「そう。……ってことは、使い魔として契約した時に得られる、特殊な能力ってヤツなのかしら」
へぇ。ルーンのことかね?
「例えば、他にはどんなのがあるんだ?」
「そうね……。黒猫を使い魔にしたとするでしょ?」
「おう」
「人の言葉を喋れるようになったり、後ろ足だけで歩いたりするようになるのよ」
「それって、
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