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fate/vacant zero
ゼロのルイズ
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に加わってたかどうかはわかんない。


 いったいどの辺りがささやかなんですか、と才人は無性につっこみたくなった。

 そんだけ豪華でささやかだったら、俺の食事はいったいなんなの。

 俺の目の前の皿は何よ。

 ペット以下だったりするのか、俺は?

 日本のペットでももうちょっと豪華なもん食べてるぞ?


 こんな虐待はさすがに我慢ならないなので、ルイズのブラウスの肘辺りをくいくいと引っ張る。



「なによ」

「鳥と野菜分けてくれ。少しでいいから。
 これっぽっちじゃ身がもたねえよ」

「ったく……」


 ぶつくさ言いながらも、テーブルの上でごそごそやってくれてるルイズに少し感謝した。

 元が元だからホント少しでしかないけど。

 やがて何かが才人の皿に投下された。



 おお、鳥だ。

 鶏肉だと一番旨いとこ。鳥皮だ。



「……って肉は?」


「癖になるからダメ。こっちならいいわよ」

「げ」


 そうして目の前に下ろされた皿の中身は、さっきの青いドレッシングの掛かったサラダだった。

 近くだと、なんかむせ返りそうなほど酸っぱい匂いがする。


 皿を受け取ってルイズに視線を向けると既に前を向いていて、実に美味そうに豪華な料理を頬張っていた。


 ひょっとして嫌いなものの処理を回しただけじゃねえだろうな、とちょっと思ったがしかたない。

 それならそれでいい。無いよりは遥かにマシなのである。


 とりあえずは恐る恐る、サラダの菜モノを一枚齧ってみた。



「──ぐぉ。こ、これは」


 苦い。

 とにかくまず苦い。

 ドレッシングもかなり濃く甘酸っぱいけれど、それでも第一に苦いと感じるくらいキツい。


 口の中でも感じる匂いは、なんだか煮詰めて醗酵させたレモンみたいな感じだ。

 まあ、食えなくはない。というか、普通に美味い。

 苦いのさえ我慢できれば、と条件はつくが。



 最初にサラダから入ったからか、スープの方はなかなかいい味をしていた。

 かなり薄味だけどな! 一口目は生水かと思ったくらい。



「ああ、うまい。うまい。泣けてきそうだ」


 一癖も二癖もある食べ物だったが、空きっ腹の才人はあっという間に完食した。

 量だけはかなりあったので、腹も充分に膨れた。ただし水っ腹で。



 だが。周りの生徒たちの食事はまだ佳境にも満たない。

 ようやく半数が一品片付くか付かないかという、才人にとっても生徒らにとっても長い長い識餌しょくじの時間は、まだ終わりの片鱗すら見せていなかった。





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