ゼロのルイズ
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いる。
柔らかなクリーム色をしたシチューが深皿に並々と湛たたえられている。
なにやらトゲトゲした、シソみたいな葉っぱのサラダが独特な色彩と気配を放っている気がする……、なんでこれドレッシングが青いんだ?
「こんなに多くて食べ切れるのか、ここの生徒たちって?
ああ、でもまあいいやすげえうまそうだし! なあ、お嬢さま! ……どした?」
ぽむ、ぽむ、と肩をたたかれた。
才人が振り向くと、ルイズにじっと睨まれていた。
「……あの? なあ、どうしたんだルイズ?」
じっと睨んだまま、床を指差すルイズ。
視線でソレの先を追うと、
「皿があるね」
「あるわね」
一枚の皿が置いてある。一応、分類すれば大皿の部類に入るくらいにはでかい皿だ。
で、その中身はというと。
「……なんか貧しいものが入ってるね」
なんだろう、すごく気持ちが夏空色になってきた。なんでかなぁ。
空むなしさを覚えながらルイズに視線を戻すと、なんだか頬杖をついてむっすりしていた。
「あのね? ほんとは使い魔は、外。あんたはわたしの特別な計らいで、床」
あゝ、無常。
才人は床に座り込み、目の前に置かれた皿を親の仇でも見るかのように睨んでいた。
中身は液体。ただひたすらに液体。
透明なのは俺の目の錯覚かどうか。澄まし汁なのかコレは?
で、その水面には二切れほど、肉のかけらっぽいような布切れっぽいような、微妙なものが浮かんでる。
……半分ぐらい赤いぞおい。スープになんか現在進行形でなんか黒っぽいのが染み出てるし。
食って大丈夫なんだろうなこれ?
あと、皿の縁には硬そうなパンが二切れ、ぽつんと物悲しく乗っかってる。
さっきのフランスパンモドキみたいだが、切り株みたいな色と硬さ。
古くなった分なのか?
テーブルの上をもう一度ながめてみる。
豪華だ。
自分の前に置かれた皿を見る。
質素だ。
何度も見比べていると、段々ひもじさを通り越して侘びしくなってきたので、自分の皿だけを睨むことにした。
先に卓上の料理を期待した分だけ、がっかり感が凄いのである。
「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ。今朝もささやかな糧を我に与えたもうたことを感謝いたします」
教会のシスターとかが捧げてそうな食前の祈りいただきますが唱和される。ルイズの声も混ざっていたようだ。
上を見ると寂しくなるから、ほんと
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