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fate/vacant zero
第一部
外よりの 序 曲
厄日の使い魔
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あつまり、頭より先に体が動く、よく言えば行動的な性格たちである。


 なお、ここまでの経歴に関してであるが、いずれもこの世界で積み重ねられたものではない。

 じゃあどこなんだ? という疑問が湧くだろうからして、その世界から彼が居なくなるまでの光景をまず描こうと思う。









 そもそもの発端は、冒頭のシーンより6時間ほど前。地球は日本の東京都での出来事である。


 その時、才人はノートパソコンの修理を終え、自宅へと帰る途上だった。

 とても舞い上がっていた。これでインターネットが出来る、と。


 実は彼、つい先日かの風名高い出会い系サイトへと登録を済ませたばかりであった。

 恋人が出来るかもしれないという魅力は、彼にとって抗えぬものだったらしい。


 彼曰くによると、平凡な日常に刺激が欲しかったとか。

 ありていに言えば、退屈だったのである。



 されど、望んだ刺激は出会い系からではなく、家へと戻るその道中に訪れた。


 電車を降りて家へと向かう途中、目の前、手をのばせば届くぐらいの位置に、発光する鏡、らしき "何か"が唐突に現れたのだ。

 才人は足を止め、それをまじまじと眺め回した。担任教師が前述したように、彼は非常に好奇心が強い。


 それは目測で高さ2メートル、幅1メートルぐらいの楕円形をしていた。

 横にまわってみて分かったが、厚みは0。そして、宙に浮かんでいた。



 好奇心が猛烈に刺激された。さて、こりゃいったいなんだろうか?



 まず頭に浮かんだのは、これは自然現象か? という疑問。

 即座に却下した。こんな自然現象、見たことも聞いたこともない。

 蜃気楼が一番それっぽいが、蜃気楼はこんな間近にみえるもんじゃないだろう。



 じゃあ、これは何だろう?



 そのままスルーして家へ帰る、なんて考えには及びもつかなかった。

 こんな面白そうな "何か"を、彼の好奇心が放っておけるわけがなかった。



 彼の興味は鏡(っぽい"何か")へとこの時点で完全にシフトしていたのだ。



 おもむろにその辺りに転がっていた砂利じゃりを拾う。直径3センチぐらいの、何の変哲も無いごく普通の丸っこい石ころだ。

 舗装された道路に転がってるのは謎だったが、手に持ったそれを"何か"へと軽く放り投げてみる。

 砂利じゃりは、"何か"を突き抜け、"どこか"へと消えた。


 後ろへ回り込んでみたが、先ほどの砂利は見当たらなかった。



 次に、ノートパソコンの入った鞄の中からおもむろにボールペンを取り出し、先っぽを"何か"に突き
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