第三十五話 アイスゴーレムの茶碗蒸し
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所に誘い、そこを指さす。
「魚だ!」
一緒に行ったファリンが、氷の中にある魚を見つけた。
「急激な温度変化で氷漬けになったようだな。この部分だけ切り取れないだろうか?」
「うーん。魔方陣を使ってなんとか…。」
「私が切り取ろうか?」
「ダメよ。あなたの切り裂く魔法じゃ凍った魚ごと粉砕しちゃうわ。」
「えー。」
マルシルのダメ出しに、ファリンは残念そうに声を漏らした。
結局、マルシルが魔方陣を描き、起動させることになった。
センシは、氷の小山のような場所で魚を捕るために待ちつつ、周りを見回していると、魔方陣を書き終えたマルシルが、魔方陣を起動させた。
バチンッと大きな放電のような光が氷の山に走る。
その直後。
「えっ?」
小山が起き上がった。
乗っていたセンシは、忽ち転げ落ち雪に埋まった。
「アイスゴーレム!?」
「嘘でしょ!?」
なお、雪の中で身動き取れないセンシは、それを聞いて思い出していた。
過去、自分が畑代わりにしていたゴーレムの核のひとつを、水路に落とした記憶を……。
アイスゴーレムが、大きな咆吼をあげた。
ドーム状の広場に、ビリビリと響き渡る。
「ん!? おい、やばいぞ!」
耳を塞いでいたチルチャックが天井の変化に気づいた。
天井にぶらさがっていた大きなつららが咆吼の響きで割れ、落ちてきた。
ファリンは、慌ててマルシルを突き飛ばし、切り裂く魔法を放って防ぐも、一本が腕に刺さった。
「ファリン!」
「っ…、だ、だいじょうぶ…。」
その時、黒い影が飛んだ。
イヅツミだった。
イヅツミは、アイスゴーレムの顔に飛びかかると、短刀を額に刺した。
しかし、アイスゴーレムは、倒れず、イヅツミをなぎ払おうと手を振るった。
「? おい、コイツ死なないぞ?」
「ゴーレムは、核を破壊しなきゃ死なないんだよ!」
チルチャックは、そう叫びつつ、ハーフフット特有の優れた五感で核を探そうとする。
だがアイスゴレームの体内は、魚などの不純物が多く、目視ではどれが核なのか分からない。
「おい! なるべく、時間稼げ! 核の位置を割り出す!」
「はあ?」
イヅツミが眉間にしわを寄せた。
チルチャックのことが気にくわないイヅツミは、足を引っ張る気じゃないだろうなっと不信感を募らせる。
その間にもアイスゴーレムの攻撃が来るので、まるで猫のごとく、避けていく。
だがやがて、雪に足を取られ、その隙を突かれて攻撃されそうになった時……。
弓矢を構えたチルチャックが、矢を放った。
矢は、アイスゴーレムの右肩付近に当たった。
「てめぇ、ふざけてんのか!」
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