第四十五幕:思い出は七色の虹へ
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いってらっしゃいませ!」
七夏「はい☆」
七夏ちゃんは、あの時と同じ格好をしてくれた。青いラインの入った白いワンピース姿で手には大きな帽子・・・それが、俺にはとても嬉しく思えた。
七夏ちゃんお勧めの場所へ再び向かう・・・。舗装されていない、轍のある道・・・以前よりも緑が鮮やかになっていた。日差しは高く、影は短いながらも、ふんわりとしたワンピースのゆらめきを、はっきりと地面に投影していた。俺は写真機の電源を入れて試しに訊いてみた。もう一度、あの時の七夏ちゃんを!
時崎「随分大きな帽子だね!」
七夏「はい☆ こうすれば体全体を守ってくれます☆」
時崎「なるほど!」
あの時と同じようにしゃがんでくれた七夏ちゃんを今度は逃さず撮影した。
七夏「ひゃっ☆」
時崎「あ、ごめん!」
七夏「えっと、み、見えてませんでした?」
時崎「え!?」
七夏「えっと、その・・・」
時崎「あ、大丈夫! 写ってないから!」
七夏「良かった☆」
時崎「でも、それだったら、どうしてしゃがんでくれたの?」
七夏「えっと、柚樹さんならいいかなって☆ でも、写真に残るのは恥ずかしいから」
時崎「・・・返事に困る・・・かな?」
七夏「ご、ごめんなさい!」
時崎「いや、俺は嬉しいけど」
七夏「くすっ☆」
なんか少し気まずい。話題を変えよう!
時崎「そ、そう言えば七夏ちゃん! 今日はセブンリーフ、身に付けてないんだ」
七夏「え!? えっと・・・付けて・・・ます・・・」
時崎「え!? そうなの? どこに付いてるんだろ!?」
七夏「えっと・・・内緒です☆」
七夏ちゃんは、少し恥ずかしそうにうつむき、そう答えた。
時崎「内緒か・・・」
七夏「あの・・・柚樹さん」
時崎「え!? ああ、ごめん!」
内緒と言われたので、ついそれを探してしまい、結果的に七夏ちゃんをじろじろと見つめてしまっていた。どこにセブンリーフがあるのか、結局分からなかった。
七夏「さっき、見えてたら気付いたかも・・・です」
時崎「え!? それって」
七夏「・・・・・」
時崎「ご、ごめんっ!」
七夏「くすっ☆ えっと、ここに四葉があって、こっちが三葉です☆」
七夏ちゃんは手で胸元と、お腹の少し下を押さえながら話してくれた。さすがに鈍い俺も見えないけど、セブンリーフが何なのかを理解できた。
なんと言うか、七夏ちゃんの考える事が分からない時があるけど、過去にもこのような出来事が無かった訳ではない。
水着の試着の時や、体温計で体温を計っている時に同じような事があった。学習していないのは俺の方かも知れない。七夏ちゃんは、下着を見られて恥ずかしいとは思わないのだろうか? そんな事を訊ける訳ないか。
七夏「柚樹さんっ☆」
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