第四十五幕:思い出は七色の虹へ
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ますけど、手が止まってしまうから・・・」
時崎「それ、分かる!」
七夏「今日は、お父さんから、もしかしたらテレビに映るかもって聞いたから☆」
凪咲「ナオが、出掛ける前に録画予約をしていたみたいで」
時崎「なるほど。今の映像、録画されてるのですか?」
凪咲「ええ♪ ですから後でも見れると思いますけど」
七夏「同じ時間を一緒の方がいいかなって☆」
時崎「それ、分かる!」
七夏「くすっ☆ 柚樹さん、さっきと同じ事を話してます☆」
時崎「はは・・・さっきと言えば、車掌車を見て思い出したけど、七夏ちゃん、直弥さんから鉄道模型のお掃除とか頼まれてない?」
七夏「え!? どおして?」
時崎「この前、直弥さんのお部屋にお邪魔した時、分解されていた車掌車があったから」
七夏「そうなの? 私は頼まれてませんです」
時崎「そうなんだ。後で直弥さんの部屋にお邪魔してもいいかな?」
七夏「私も一緒、いいですか?」
時崎「もちろん!」
テレビから、「C11蒸気機関車」が出発する映像を見ながら朝食を頂く。
<<「七夏「お父さん、本当は運転士さんになりたかったみたい」>>
以前、七夏ちゃんが話していた事を思い出した。直弥さんは運転士になりたかったけど、今は車掌として充実していると話してくれた。願いや想いが全て叶えば良いのだけど、現実はそんなに上手くはゆかない。俺も七夏ちゃんに七色の虹を見せてあげたいと思ったけど・・・直弥さんは、蒸気機関車イベント限定だけど運転士として、凪咲さんとの夢を叶えた。俺も別の方法で大切な人・・・七夏ちゃんの願いを叶えてあげたい。
夢が遠く届かなくても、努力と工夫次第では夢に近い事を実現する事は出来ると思う。生きると言うのは、その為に色々と考える事なのかも知れない。
時崎「色々・・・か」
七夏「? どしたの? 柚樹さん?」
時崎「なんでもない」
七夏「くすっ☆」
色々な色を見せてくれる「ふたつの虹」よりも大切な人、七夏ちゃんは優しく微笑んでくれた。
朝食を済ませ、七夏ちゃんと直弥さんの部屋にお邪魔する。以前、机の上にあった分解されていた車掌車は、元どおりになっていた。
時崎「元に戻ってる・・・」
七夏「え!?」
時崎「この車掌車」
七夏「お父さんかな?」
時崎「恐らく、そうだろうね」
七夏「くすっ☆ 柚樹さんが、来てくれて、この世界も変わりました♪」
時崎「この世界!? ああ、踏切と信号機の事?」
七夏「はい☆」
七夏ちゃんは、俺が蒸気機関車イベントで買って来た「C11蒸気機関車」の鉄道模型を線路に乗せた。
七夏「柚樹さん☆」
時崎「あ、ああ!」
七夏ちゃんの想いは分かる! 俺は机の上にあった車掌車を、C11蒸気機関車の後ろに繋いだ。今朝のテレビの場面が
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