SS4 オオカミが知る感情
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結果から言えば、かずみの強奪は、失敗に終わった。
カンナが正体を隠して依頼した、プレイアデス聖団に恨みを持つ魔法少女ユウリが、驚異的なドジっ子で、かずみが入ったトランクを、偶然にも同じ種類のトランクを持った者とぶつかって入れ替わってしまうという事故が起こった。
しかも、接触相手は、イーブルナッツによって魔女もどきになった女警官によって爆弾魔に仕立て上げられようとしていた男で、トランクの中身は時限爆弾だったというオチだ。
爆弾入りのトランクを突き返し、かずみと交換させようとしたが、結局プレイアデス聖団のカオルと海香に阻止され失敗に終わる。
さらに、その後、魔女もどきになっていた女警官がかずみと接触し、魔法少女として覚醒させてしまった。
しかし、かずみのソレは、かつてのミチルという魔法少女のソレだ。
魔女もどきと交戦するかずみに、カオルと海香が援護に入り、魔女もどきはイーブルナッツから解放され人間に戻った。
「イーブルナッツ…取られた。」
「予定通りだよ。」
遠くのビルの上から、魔獣の力で強化された視覚で様子を見ていたカズの見てるモノを、座っているカズの後ろに背中合わせで座っているカンナがコネクトで認識しながらなんてことないと言った。
「魔女もどきは、しょせんは人間。それにイーブルナッツじゃ、浄化はできないし。アイツらにたっぷりと魔法を使わせて消耗させることが目的だからね。なにせ、アイツら、自分のソウルジェムの状態に気づいてないし。」
「かずみ…、強い。」
「そうだね。あの破戒の魔法は、厄介。さすが合成魔法少女って言ったところかな。」
「…ソウルジェムが、グリーフシードに似てる。」
「それは…、カズと同じマルフィカ・ファレス(魔女の肉詰め)だからだね。」
「オレは、かずみになれなかった。魔法少女にもなれなかった。」
「その代わり、もっとすごい魔獣の力があるじゃない。」
カンナが振り向き、カズの背中に抱きついた。
「もし。」
「ん?」
「もし…、かずみがオレ達を否定したら?」
「その時は……、かずみが選んだこの世界を盾にする。」
「…できるかな?」
「できる。やるの。」
カズは、首を捻ってカンナの方に顔を向けた。
「失敗したら?」
「カズならできる。」
二人が会話していることは。
カズの、“強制進化”についてのことだ。
プレイアデス聖団がレイトウコと呼んでいる、他の魔法少女とソウルジェムを封印して補完している場所がある。
最終的にそこを強奪し、大量のグリーフシードを得る。
それをコネクトでカズと繋ぎ合わせ、変異させ、進化を促すのだ。
計算上は、ワルプルギスの夜をも越える強大な魔獣になれるは
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