SS3 食べちゃいけないメインディッシュ
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ろ市を中心に広がっているオオカミの魔獣の話より確証は薄い。
プレイアデス聖団は、魔法少女がいずれ魔女になることを知っていた。
だからこそ……、それを覆す方法模索していた。
それがどれほどに残酷な方法だということを、彼女らが分かっていてるのかは、分からない。
「ともかく、単独での行動はできる限り控えよう。もし魔法少女の行方不明が、オオカミの魔獣の仕業なら危険だ。」
サキがそう締めくくり、一同はその場から撤収することにした。
しかし、カオルだけが、その場に少しの間残った。
「……この魔力…、どこかで?」
そのほんの少しの間だった。
グニャリッと空間が歪んだ。
「なっ!?」
『悪い子のところには、オオカミが来るよ』
「この声…! まさか!?」
『悪い子は、オオカミに食べられちゃうよ』
カオルは、一瞬のうちに魔法少女としての姿に変じた。
すると、グルルル…っといううなり声が聞こえ、空間が、楽園のような世界へと変わろうとして……。
元に戻った。
「はっ?」
「カオル!」
異変に気づいたらしい仲間達が駆けつけてきた。
「い、いま…。」
「ああ、聞こえたよ。」
「ほ、本当にいたんだ…!?」
「姿は見た?」
ニコが聞くとカオルは、首を横に振った。
「噂は本当だったんだね…。でも…。」
「多勢に無勢と思って逃げた?」
「それはそれでおかしくない?」
「……けど、これでハッキリした! オオカミの魔獣の根城は、このあすなろ市にある!」
「居場所さえ絞れれば、あとはつまみ出すだけだね。」
「か、勝てるのかな?」
「やるっきゃないよ! いくら魔女を駆除してくれるからって放っておいていいとは思えないし。僕らが力を合わせれば絶対勝てるって!」
心配する里美に、みらいが強きに言った。
「…あのさぁ……。」
「とにかく、また襲ってくる前にいったんここを離れよう。今度は離れないように。」
カオルが何か言いかけたが、サキの言葉に阻まれ言えなかった。
カオルは、一瞬だけ自分の背後を見つめ、それから全員でその場から離れていった。
プレイアデス聖団が、いなくなった後……。
「だめじゃない。カズ。」
「ごめん…。」
「アイツらは、メインディッシュであり、デザートなんだから。最後に食べなくちゃ。美味しいモノは、最後に取っとかないと。」
「…カンナ、オレのこと嫌い?」
「もう、どうしてそうなるの? 一回や二回の失敗で見捨てたりしないよ?」
泣きそうな顔をするカズの頭を、カンナが撫でた。
「だから、次からは気をつけてね?」
「うん…。」
「けどどうしよ
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